今回は旅客グランドスタッフとも深い関わりがある、ロードコントロール(L/C業務)についてです。
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ロードコントロール(L/C)とは
L/Cとも呼ばれており、航空機の搭載プランを作成する、運航管理の業務です。
航空機は、PAXやPAXのチェックインバゲージ、貨物、燃料といった、搭載物が多々あります。
旅客グランドスタッフと関わりが深いのは、PAXやチェックインバゲージといった要素です。
PAXの重量バランス
チェックイン業務では、基本的にPAXのシートを、機体後方から割り当ていきます。これは重量バランスの関係で、前半に偏りすぎると航空機のバランスが悪くなるという説明を、私が以前勤務していた会社で聞きました。
では、チェックイン時に機体前方のシートにPAXが偏りすぎた場合どうするかです。極端な場合は搭乗ゲートで、後半シートへ変更しても良いというPAXがいないか、声かけやアナウンスで協力を募ります。
しかし機体後半の席は、降機にかかる時間も増え、PAXにとってはメリットがありません。強いて言えばTCP(同じグループのPAX)と席が離れてしまった場合、後ろの席に移動すれば、一緒に座ることができるという場合だけですね。
もっとも、私が過去に勤務中、ゲートでシートの変更ボランティアを募るというのは、一度しか経験がありません…
またゲートにおいて、PAXからシート変更のリクエストがある場合もあります。
例えばこの場合も、機体後方から前方、またはその逆の場合も、PAXの座っているゾーン(機体座席をいくつかの区域に分けた呼び方。ゾーンA、Cなど。)が変更になる場合は、必ずL/Cに知らせる必要があります。
PAXバゲージ
チェックイン時、PAXのバゲージを計量し、その数値を正しくシステムに入力することは、航空機の安全上、大切なことです。
特にPAXが多い日は、バゲージも増え、搭載許容量を示すACL(Allowable Cabin Load)はタイトになります。
追加料金をPAXから徴収するのが面倒だからと、バゲージの重量を差し引いてシステムに入力することは、航空機の安全運航に支障を与える行為となります。
その他の要素
その方、貨物や燃料といった要素があります。貨物も重量や種類によって、搭載箇所が決まります。
大型機ではチェックインバゲージや貨物をコンテナに搭載し、そのコンテナをさらに機体の貨物室にそのまま搭載します。例えば、食品の入っているコンテナの隣にご遺体を搭載するのはNGです。また、NOTOC(Notice to Captain)というものもあり、危険性のあるもの(放射性物質、リチウムイオンバッテリー)は、搭載位置をキャプテンに知らせる必要があります。
燃料も、搭載物、天候、飛行ルートなど様々な要素から決定します。
ロードシート
L/Cは以上のような要素から搭載プラン(ロードシート)を作成し、コクピットのシステムに送付したり、キャプテンに手渡したりします。
PAXの人数は、出発直前まで変更になることが多々あります。直前のロードシート変更は、LMC(Last Minute Change)と呼ばれます。PAXも男性、女性、子ども、乳児でそれぞれ重量が違います。PAX人員も正しくカウントし、正確にロードシートを作成することが、安全運航につながります。
まとめ
ロードコントロールは航空機の安全上非常に大切な役割を果たしています。
色々な職種が集まったチームで、航空機のハンドリングが行われています。