旅客機による貨物輸送2 (旅客機の貨物室搭載容量は?)

当ブログの記事でも先日、旅客機による貨物輸送についてお伝えしました。搭乗するPAXが激減しているため、貨物室のみではなく、キャビンにも貨物(主にマスクといった医療用物資)を搭載したフライトを世界各社が運航しています。

今回もコロナウイルスによる航空業界の影響について、海外ニュースサイトからの記事をご紹介してお話します。 現在世界各国で、外国人の入国制...

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旅客機のベリー輸送

旅客機のお腹の部分には、PAXのチェックインバゲージを搭載するカーゴルーム(貨物室)があります。旅客機と聞くと、乗客のものではない一般の貨物を搭載できるの?と思われる方も多いと思います。しかし、多くのエアラインでは旅客機にも多くの貨物を混載させています。

これをベリー輸送というそうです。

上記リンクでご紹介した、Zari-Gさんのチャンネルを見て、私もこの用語を知りました。特に777といった大型機材は、カーゴルームの容積はかなりあるようです。

実際に旅客機のカーゴルームはどのぐらいの容量があるのか?

777は見た目にもかなり長く(特に77W)、沢山の貨物が搭載可能なように見えます。

実際にJALが運航している、旅客機仕様の77W(777-300ER)の搭載容量を見てみましょう。

777-300/300ER

Front 40,820kg

Rear  31,749kg

Bulk    4,082kg

計    76,651kg

それでは、比較対象として小型貨物機(B737-800BCF)の搭載容量も見てみます。

最大搭載容量は、52,800ポンドです。これをkgに換算すると、23,949kgとなります。

B77Wの旅客機のカーゴルームだけでも、B737貨物専用機を優に上回る搭載量がありますね。カーゴルームだけを使用しても、かなりの輸送量があります。

PAXが搭乗せずに運航しても、貨物の種類によるとは思いますが、「貨物機」としてフライトを運航する価値は十分にあるのではないでしょうか。

まとめ

私がグランドスタッフだった際、担当していたのはA320やA321を運航しているLCCが中心でした(1社担当していたFSCも、A321を使用していました。)

LCC2社に関しては、一般の貨物は搭載していなかった記憶があります。カーゴマニフェストという、搭載貨物に関する書類がありますが、それがNIL(Not in list、無しという意味)と記載してあったのを憶えています。

グランドスタッフとしては大型機材を担当した経験はないため、PAXがいなくても旅客機を有効活用する方法があるとは新鮮でした。

この記事を執筆している時点(2020年4月29日)では、羽田空港に発着する国際線もロンドン、トロント、シドニーと本当に限られたものだけになっています。ガルーダインドネシア航空も、今月中旬ぐらいまで運航していたようですが、現在は運休してしまったようです。

これらのフライトは、貨物機としての一面を持っているのでしょう。コロナウイルス感染終息までは、ベリー輸送を行う旅客機も、物流を支える重要なインフラの1つとして活躍が期待されますね。