以前下記の記事で、地方空港のハンドリングの難しさをお伝えしました。
コンテンツ
地方空港でのハンドリングで、一番の問題は?
やはり、CIQ(税関・入管・検疫)が対応できる時間が限られていたり、地上支援業務の幅や対応時間に制限があるのが難点です。詳細については、前述の過去記事でお伝えしています。
今回の記事では、前回お伝えしなかった問題について見ていきましょう。
駐機スポットやケータリング
駐機スポット
1つめは、駐機スポットについてです。地方空港は元々スポット数が少ないため、定期便や、他のプライベート・チャーター機との兼ね合いが存在する点です。スロット(発着枠)は空いているものの、スポットがない場合も案外遭遇します。
上記画像は、OIT(RJFO、大分空港)のスポット図です。この図を例に、見てみましょう。スポット(駐機場)、更に拡大してみましょう。
スポット図は無料で参照することができます。ご興味のある方は、上記リンクをご覧ください。
スポット1~11までしかありません。しかし、時間帯にもよりますが、プライベート・チャーター機が使用できるのは、上記の1部となります。また、空港によっては国内線専用のスポットも存在し、外国籍の航空機は駐機だけはできるものの、税関との関係で、旅客や貨物の積み下ろしは不可という場合もります。
PAXからのリクエストを受け、時間を調べてみると、思いのほか自由が利く時間が少ないことがわかります。私が経験した場合だと、他のプライベート・チャーター機がスポットを使用してしまっており、対応ができない。また定期便を運航する会社が、使用する可能性があるため、できれば避けてほしい。といった場合がありました。
やはり、物理的にスポット数が少ないため、羽田・成田・関空といった空港と比較し、スポットの倍率が高くなります。駐車場が満席で、駐車できないという場合を想像して頂くと、わかりやすいです。そのような場合は、上記の例の大分空港であれば、PAXが降機するために1時間だけスポットの使用許可を取り、大分から関空までフェリー(回送)して駐機するといった方法が想定されます。
ケータリング
地方空港では、定期便のケータリングを担当している会社が少ないことが多いです。その場合、空港内のレストランや空港付近のホテルのレストラン、もしくは一般のレストランも選択肢に入れます。
PAXのリクエストに最大限お応えできるよう、できませんと回答することは最大限の努力をしてからでないと、許されません。特に過去のハンドリングで、柔軟に幅広いリクエストに応えてくれたレストランの情報は希少です。しかし、担当者の裁量による場合も多く、担当者が退職して対応できないと言われた場合もありました。
プライベート機のケータリングは奥が深く、リクエストにお応えするための努力を惜しんではいけない分野です。
まとめ
プライベート機のハンドリングでは、PAXのリクエスト(発着時間、ケータリング等)に最大限お応えすることが求められます。場合によっては、CREWも滞在ホテルやCREW自身のケータリングについて、かなりリクエストをしてくることもあります。
地方空港では、都市部と比較して様々なサービスの制約がありますし、レストランやホテルも限られてきます。そういった中、良質なサービスを提供する業者を見つけておき、PAXやCREW(CREWもハンドリング会社にとってはお客さまです)に満足して頂けるよう、手腕が問われる場面ですね。
コロナ渦が終息に向かう場面では、プライベート機による海外からのPAXが地方空港を利用する機会が増えることを願っています。
※今回使用の画像は、無料画像のPixabay (https://pixabay.com/ja/)よりお借りしました。
コメント
羽田空港のBJ懐かしいですねー
私も働いてて関係あったので、
思い返しながら楽しく読みました!
コメントありがとうございます!
BJ関係者の方からのコメント、嬉しいです。
コロナ前はBJが多数飛来していましたね。現在はだいぶ便数も増えているようで、よかったです。
定期便と異なり、大変な点も多いですが定期便では経験できないことも沢山あったのが印象に残っています。