国際線を運航できる空港は国際空港?

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国際空港とは?

国際空港と聞くと、海外と本邦(日本)を往来する航空便が発着している空港、というイメージですね。

日本には、東京国際空港(羽田)、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港といったように、国際空港を名乗る空港が複数存在します。

しかし、国際線が運航できるすなわち、国際空港ではありません。

日本における例外は、大阪国際空港(伊丹空港)です。

空港法では、羽田、成田、中部、関空、伊丹の各空港は「拠点空港」に分類されます。

A.拠点空港(28)

 空港法第4条第1項各号に掲げる空港(成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港、 関西国際空港、大阪国際空港並びに
国際航空輸送網又は国内航空輸送網の拠点となる空港)をいう。

<会社管理空港(4)>

成田国際空港  中部国際空港  関西国際空港  大阪国際空港

<国管理空港(19)>

東京国際空港  新千歳空港  稚内空港  釧路空港  函館空港 仙台空港

新潟空港  広島空港  高松空港  松山空港  高知空港

福岡空港  北九州空港  長崎空港  熊本空港  大分空港  宮崎空港

鹿児島空港  那覇空港

国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

新千歳空港や福岡空港等、国際空港という名称がなくても、法律上は羽田や成田等の「国際空港」と同じ分類なのが不思議ですね。

国際線運航の条件とは?

CIQ(税関、入管、検疫)の各所の存在が必須です。

出入国する手続きには、入管でパスポートを見せて出国審査を受けたり、入国時に税関職員に申告書を手渡し、申告するものはないか確認しますよね。

コロナ渦の現在では、入国時のPRC検査は、検疫さんが担当しています。

こうした手続きなしに、国境を跨ぐことは絶対にできません。

グランドスタッフの研修で学ぶこととは、その2です。

逆に言えば、CIQの方々さえ手配できれば、国際線の運航は可能です。

プライベート・チャーター機会社では、普段CIQさんが常駐していない空港へ運航したいというリクエストが、時々あります。私が受けた中では、長野県の松本空港、神戸空港といった、普段は国際線定期便が就航していない空港へのリクエストを、機体オーナーから受けたことがあります。

松本空港には、上記の動画のように、ロシアのヤクーツク航空、カンボジアのスカイアンコール航空等が飛来しているようです。日常ではありえない光景で、とても新鮮ですね。

こうした国際線定期便が就航していない空港に、プライベート・チャーター機を飛ばす手続きは、調整が少々大変です。

その理由としては、元々そういった空港は運用時間が短く、スポットにも限りがある。そして、CIQさんの対応時間も、09:00-17:00の間に限られることが挙げられます。

結局、運航のリクエストをしてださったオーナーの方々も、結局別の空港(CIQさんが常駐していて、国際線定期便が就航している)を選ばれました。

まとめ

国際線が運航していない国際空港(伊丹)があったり、はたまた普段は国際線が定期運航していない空港に国際線フライトを運航できたりと、不思議な「国際空港」に関する話題でした。

※アイキャッチ画像ならびに記事冒頭の画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。