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フェリーフライトとは?
フェリーフライトとは、回送(回航)便のことです。機体の移動や輸送を目的として、行われます。PAX(旅客)が搭乗することはなく、運航乗務員やCAのみです(CAが搭乗しない場合も、当然あります)。
フェリーフライトの実例
機体工場からの輸送
エアバス社の工場は、フランスのトゥールーズにあります。完成した機体は、ここから世界各地にデリバリーされます。
上記動画は、カタール航空の例です(トゥールーズからドーハ)。エアラインによっては、報道関係者も搭乗し、通常のPAX搭乗の便と遜色ないようなものもあります。
購入した機体を移動させるため(中古機体)
機体工場からの移動も、「購入した機体」であることに変わりありませんが、それが中古の機体であることもあります。
私がプライベート・チャーター機のハンドリングをしていた際、アメリカで小型機を購入したフィリピン在住のオーナーが、機体をご自身で操縦し、フィリピンまで帰国されるというケースがありました。
小型機でしたので、テクニカルランディング(給油のための着陸)を何度も繰り返し、帰国されました。
寄港する空港への到着・出発時には、ハンドラーである我々に、到着時刻の連絡が来ますので、最終目的地の空港に到着するまで、応援する気持ちで見守りました(給油のために何度も着陸・離陸を繰り返すので、ちょっとハラハラしました)。
下記機体は元バニラ→ANAのJA02VAです(2021年11月7日撮影)。米国LCC、Allegiant社に移籍予定だそうで、塗装も同社のものになりました。
おそらく、ANC(アンカレッジ)経由で、米国本土に移動するものと思われます。

登録記号(JA02VA)の下には、米国籍のNから始まる番号が見えます。
機体の移動
運用上の理由で行われる移動(別空港からの出発)
機体の運用上、到着した空港と次に出発する空港が異なることがあります。例えば、羽田に到着したものの、出発は成田からという場合です。
最近では見かけませんが、コロナ以前は羽田⇔成田間のフェリー便は、Flightradar24等のアプリを見ていると、度々見かけました。
ANAのB777の成田ー羽田フェリー便
運用上の理由で行われる移動(駐機制限を回避するため)
プライベート・チャーター機では、駐機制限回避(特に羽田では、駐機できる日数が4泊5日に限られるため)のために、実施されることが多々あります。
駐機制限をいかに回避するかは、ハンドラーの腕の見せ所です。
地方空港ハンドリングでのフェリー例
まとめ
フェリーフライトを専門とする運航会社まであります。フェリーのために、運航乗務員を充てる時間的余裕のない運航もあるでしょうから、重宝するサービスですね。あらゆる航空機・ヘリコプターまでフェリー可能とのことです。
↑社名も「Ferryflights」で、業務内容そのもの。これほど分かりやすい社名はありませんね。
※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像のPixabay (https://pixabay.com/ja/)よりお借りしました。