前回の記事では、入社してグランドスタッフ習得する項目のうち、グランドスタッフがルールを守り、セキュリティーを確保する重要性についてお伝えしました。
今回は国際線グランドスタッフが入社後、どのような項目について習得するのかを引き続き見ていきましょう。
国際線ハンドリングに必要な知識
羽田、成田、中部、関空を始めとして、国際線が就航している空港は日本にいくつかあります。しかし、国際線を運航するためには何が必要とされるでしょうか。
国際線を運航するにあたって、何が必要か
海外を発航地または目的地とする、国際線のフライトを運航するためには、CIQの存在が必ず必要です。
C(Customs) 税関、財務省管轄
海外に持ち出す、または海外から持ち込むモノについて、取り締まりを行っている役所です。
違法な薬物、金塊の不法輸入、象牙などの保護されている、輸出入に制限がある動物に関するモノなど、違法な物流に目を光らせています。
I (Immigration)入管、法務省管轄
日本から出入国する人たちに、出国許可、入国許可を与えます。
許可を与えない場合ももちろんあり、過去に日本で犯罪等を行った外国人に対し、入国禁止の措置を取る場合があります。
Q(Quarantine)検疫、厚生労働省、農林水産省管轄
2020年2月現在、新型コロナウイルスの流行で、検疫というワードを耳にする機会も多いのではないでしょうか。入国してくる人たちの健康状態(発熱等)をモニターし、国外から伝染病、疫病といった病気類の持ち込みを空港という水際で阻止する役割を担っています。
以上、CIQがなければ国際線の運航は不可能です。
国際線が運航されている空港では、CIQさんが必ずいます。逆に、普段CIQさんのいない空港であっても、CIQさんに来てもらえば、国際線の運航は可能になります(今後お送りする、プライベート機・チャーター機編で詳しくお伝えします)。
国際線グランドスタッフとして業務を行う以上、CIQさんとは必ず関わることとなります。
私は新人研修で、「CIQさんとは絶対にもめるな」と先輩に叩きこまれました。
国際線の基礎知識
その他、国際線についての基礎知識ですが、一番最初のうちに習うものとして、空港の3レター、4レターというものがあります。
皆さんも、飛行機の旅を終え、ターンテーブルでチェックインバゲージを受け取ると、ご自身の荷物に細長いタグが貼られていて、「HND」、「MNL」といった3文字の空港コードが印刷されているのを目にされることがあると思います。これは、IATA(国際航空運送協会)の定める空港コードです。
国際航空運送協会
世界各国の民間航空会社が加入する機関です。航空会社間の取り決め等を決めている機関です。
グランドスタッフが業務で頻繁に使用する空港コードで、主要な空港については暗記する必要があります。
以下、一例です。
日本の空港
CTS 新千歳空港
NGO 中部国際空港
KIX 関西国際空港
FUK 福岡空港
海外の空港
MNL マニラ、ニノイアキノ国際空港
SVO モスクワ、シェレメチエボ空港
CDG パリ、シャルルドゴール空港
私が勤務していた会社の研修では、上記3レターの小テストがあったのが懐かしいです。
次回、その3に続きます。