現在の羽田空港の状況(ランプ内の駐機状況を中心に)

現在大半の国際線フライトと、国内線も欠航が多い羽田空港の様子を取材しました(2020年4月10日)。

※エアカナダ、ガルーダインドネシア航空、ブリティッシュエアウェイズなど、この状況でも運航している便はあるため、コロナウイルス感染のリスクを避けるためにもターミナル内に立ち入るのを避けました。

筆者の自宅から羽田空港国際線ターミナルまで、自転車で1時間以内で行ける環境のため、自転車を使用しました。

旧整備場地区から眺める、ランプ内の様子

天空橋駅からほど近い、旧整備場地区から、ランプ内に駐機している機体の様子を見てみます。それでは、現在どの程度の機体が駐機しているのか。以下の写真をご覧ください。

フェンスの隙間から撮影したため、左側にフェンスが写ってしまいました…

2019年12月に同じ場所から撮影した画像です。 プライベート機(BBJ)が駐機しています。

ランプ内のスポットというスポットに、隙間なく使用されていない機体が駐機されています。

ちなみに撮影場所はこのような場所です。緊急ゲートという場所があり、そこの柵の隙間から撮影が可能です。

比較用に、2019年12月撮影のものです。

現在の状況についてのまとめ

前述のように、活躍の場を失った機体が隙間なく駐機されている状況です。

整備場地区には、プライベート・チャーター機が主に使用する、「N地区」というエリアがあります。一つ上の昨年末撮影画像を見て頂くと、プライベート機が多数駐機されている様子が確認できます。

しかし、昨日の段階ではプライベート・チャーター機は1機も駐機されておらず、N地区には海上保安庁の機体だけでした。私がプライベート・チャーター機のハンドリングをしていた際、このような事態は一度も経験したことがありません…

ただ、ランプ内には多くの作業用車両が行き来しています。N地区内で、新たな駐機スポットを作る作業は未だに行われているようです。

航空機ではなく、工事用の作業車両の方が活発に往来しているのは、皮肉なものです。

一番手前は国際線149番スポットです。駐機されている機体は、JALのJA867Jという機体です。

※画像はFlightradar24より転載。

この機体は本日(2020年4月11日)HND発LHR行きに充当されています。何日も動いていないのかと思いきや、稼働していると知り、ほっとしました。まだ稼働率が高めな機体なので、PBBスポットに駐機しているのでしょう。

国際線のPBBスポットも、機体で埋め尽くされており、何も知らないで見ると多くの便が出発を待っているように見えてしまいます。しかし、これらの機体の大半は現在、稼働していない状態です。

国内線機材の小型化も

国内線においても、国際線と同じように機材の小型化の動きがあります。

https://www.traicy.com/posts/20200407152259/

TRAICY  JAL、東京/羽田〜大阪/伊丹線にエンブラエル190型機投入 4月8日から12日まで

ごく一時的ではありますが、B787からエンブラエルE190に変更されています。座席数もB787の291席から、95席へと大幅ダウンです。

空港近くの多摩川沿いから撮影しました。この機体が見えたとき、一瞬?と思いましたが、そういう事情があったのですね。

※画像はFlightradar24より転載。

この機体(JA245J)の運航履歴を確認してみると、3月中は伊丹ー福岡、伊丹ー鹿児島といった、西日本を中心に運用されていたようです。

日本を代表する国内線主要路線である、羽田ー伊丹間にこのような機体が投入されているという事実は極めて異様で、衝撃を受けました。

まとめ

現在の羽田空港は、国際線・国内線、プライベート・チャーター機全てが壊滅的な状況です。ただ駐機しているだけの航空機を見るのは、辛いものがあります。

パイロットが長期間休むと、その後事故が増えるというニュースを最近目にしましたが、コロナウイルスが収束した後、安全運航が続くように願います。パイロットのような運航乗務員だけでなく、CAやグランドハンドリングスタッフも、長い期間業務から離れていると、事故につながる確率は上がるのではないでしょうか。

例えば、航空機のプッシュバックといった作業について、感覚が鈍ってしまうことは、危険を招くのではと思いました。

航空機のハンドリングに携わる方々の生活はもちろん、作業の練度を落とさず、安全性を確保するという面でも、この状況が一刻も早く収束することを強く願います。