ランプ内駐機と台風のリスク

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ライプ内への駐機

通常、多くの空港ではランプ内に航空機が駐機しています。ランプとは、航空機の駐車場とも言うべき場所で、燃料補給や荷物・貨物の搭載や降載といった、航空機地上支援業務が行われる場所でもあります。

今回は、航空知識編です。 用語の解説、そしてそれらの用語を、グランドスタッフがどう使うかという事例も併せてご紹介しています。 ラ...

ちなみに航空機がその日の運用を終了し、翌日に運用を開始するまでに、駐機することをナイトステイといいます。

羽田空港ではコロナ渦以前、公道から見える900番台スポットに早朝、CX(キャセイ航空)、BR(エバー航空)等の航空機が駐機しており、私も空港の出勤時にはこうした航空機を眺めるのを、楽しみにしていました。

※羽田空港でナイトステイに使用されていたのは、主に黄色部分。上記スポットチャートは、国交省が提供するAIS JAPAN→https://aisjapan.mlit.go.jp/Login.doよりお借りしました。

コロナ可ランプ内駐機と台風リスク

依然として世界的にはコロナ渦にある現在、普段にも増して、多数の航空機がランプ内に所狭しと駐機されています。

当ブログでも、緊急事態宣言下から解除後まで、数回に渡り羽田の駐機状況を取材しました。

7月3日、羽田イノベーションシティーの開業を見るついでに、羽田空港のランプ内の状況を撮影してきました。 羽田空港の現状 海外エアラインの...
4月12日の当ブログ投稿で、羽田空港のランプ内の様子を中心として記事を送りしました。5月2日にも、再度自転車で羽田空港を訪れ(ターミナル内に...
現在大半の国際線フライトと、国内線も欠航が多い羽田空港の様子を取材しました(2020年4月10日)。 ※エアカナダ、ガルーダインドネシ...

台風シーズンの現在、ぎっしりと駐機された航空機は、すぐに動ける状況になく(トーイングをして機体を動かさないと、すぐに飛べない位置に駐機している機体もあるようです)、台風接近時には、早めの対策が求められそうです。

BR(エバー航空)では、自社機を格納庫に入れたり、他の空港に飛ばすなどの対策をするようです。

※2020年7月撮影(管理人撮影)

素人目にも、多数駐機された機体は、万が一にも強風で煽られてしまい、接触することがあれば、ダメージが大きいのではと思っていました。羽田空港にはもちろん格納庫がありますが、収納できる機体は、全体から見ればごく僅かです。現実的なのは、上記記事にも書かれている、燃料補給やギアに重しをつけるといったものでしょうか。

私もプライベート・チャーター機ハンドリングをしていたとき、台風接近の際は、機体にチョークを二重にかませるといった対策をしました。台風が迫る中、風や雨脚が強くなる中、駐機スポットで作業したことを、今でもよく覚えています。

当時の上司から、「お預かりしている機体の安全を確保するのも、ハンドラー(航空機運航支援従事者)の責務だ。」という言葉を聞き、台風等の気象条件にも充分注意を払いながら、機体を守ることも重要なのだと認識しました。

まとめ

航空需要減で、多くの機体がランプ駐機している現在、台風等の自然災害による、機体へのダメージがないことを願います。ハンドリングに携わる皆さん、どうかご安全に。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。