新型コロナウイルスによる貨物・旅客輸送への影響 2 (業界への就職・転職への影響も含めて)

当ブログの以前の記事で、新型コロナウイルスが航空輸送にもたらしている影響と、感染後に収束後に予想される輸送需要減について、ニュース記事を元にお伝えしました。

以前当ブログで、コロナウイルス感染拡大により、アメリカン航空やルフトハンザ航空が、旅客機を貨物機へ転用して使用しているというニュースをご紹介...

今回は、その記事の続編となります。

コンテンツ

ルフトハンザ航空航空が貨物機受け取りを検討

リンク切れに備え、以下記事の要約です。

記事要約

ルフトハンザ航空は、発注していた777X(20機)の納入を延期する方針。777Xの発注枠について、同じく777の貨物機を受け取る方向で検討しているとのこと。同社は、コロナ感染拡大後も需要減が長年にわたり続くことを見込んでいる。

また、貨物機として使用しているMD11機については、退役を遅らせる。これは、同社が保有している貨物機が、航空貨物輸送需要増により、フル稼働の状態であるため。

要約終わり

やはり貨物輸送については、旅客輸送とは対照的に非常に好調な状況が続いているようですね。新型旅客機である、777Xの導入よりも貨物機導入という選択肢は、この状況を乗り切るための方策として、非常に有益ではないでしょうか。

この状況がこのまま続くと?

世界各社が、旅客機の客室に貨物を搭載して貨物専用フライトとして運航を始めています。感染収束時期は全くの未定ですし、一旦収束しても第二波が来るという予想もあります。完全に収束しても、企業が出張を極力控えたりという動きが十分考えられます。

各国が取る検疫措置が厳しければ、海外旅行も見合わせざるを得なくなりますね。エアライン各社にとって、これほど厳しい時期はないのではないでしょうか。

世界のエアライン各社は、間違いなく旅客輸送から貨物輸送にシフトしていくと私は考えています。貨物機部門を保有している会社は、旅客機運航に関わっていた人員(地上要員、CA)を貨物部門に転属させることで、雇用を維持できると考えます。

早めに貨物輸送にシフトすることは、雇用を守ることにも繫がるでしょう。ルフトハンザ航空の判断は非常に早いと思います。

貨物ハンドリング会社への就職という選択肢も

これから航空業界を目指そうという方にとっても、本当に受難の時代だと思います。エアライン専門学校のグランドスタッフ科で学ばれている方は、希望の就職ができないケースが多発するのではないかと危惧しています。逆にグラハン科は、今までと変わらないか、貨物機ハンドリング関連企業への就職が伸びる可能性があるでしょう。航空業界への転職を検討されている方も、貨物ハンドリング会社は狙い目となってくるでしょう。

グランドスタッフ志望の方は、航空貨物輸出入をハンドリング(輸出入に関連する書類作成等の事務作業全般、顧客への英語も使用した連絡作業、シップサイドへの書類配達)する企業への就職を検討してみてはいかがでしょうか。エアラインと違い、B to Bの性質が強いですが、企業であってもお客さまであることに違いはありません。

この状況が収まるまで、同じ航空業界でも貨物分野で経験を積み、後に旅客部門に転職する。そうすれば、PAXと貨物の両方のハンドリングができる柔軟な人材として大いに強みを持てる可能性があると私は考えます。

まとめ

冷え込む貨物需要とは対照的に、伸びる貨物輸送。航空業界各社も、貨物輸送にシフトすることで、この状況を乗り切れる可能性が上がるのではないでしょうか。各社が貨物機材を増強する動きが一斉に起きると、貨物輸送コストが下がり、過競争が起こる可能性も将来的にはあると思います。旅客機の数を減らしすぎても、旅客需要が元に戻った際には対応できないですね。

旅客輸送の短期間での急減と、貨物輸送輸送急増という激しい変化で航空業界は大きなダメージを受けています。先が読めないのが辛いですが、まずは一人一人の行動で感染を収束させなければ、明るい未来はやって来ないでしょう。私自身も十分注意して過ごそうと思います。

当ブログとしても、航空業界の明るい話題をお送りできる日々が、少しでも早く到来することを切に願っています。