今回は、グランドスタッフの年齢構成についてお話したいと思います。
グランドスタッフ(旅客)の職場の年齢構成
私がグランドハンドリング会社に入社したのは、29歳の時でした。
入社直後、他の新入社員と一緒に、成田で4日間の研修を受け(本社が成田にあるため)ました。私の配属は羽田でしたが、成田に配属のスタッフも来ており、同期入社のスタッフが一同に会する機会でした。
そこで私は、周囲のスタッフの若さに驚きました。
航空系の専門学校や、一般の大学を卒業したての新卒のスタッフばかりで、少し場違いなところに来てしまったというのが正直な印象でした。
つまり、グランドスタッフ(旅客)に関しては、20代前半が圧倒的なメインの年齢層だと言えます。
20代後半や30代前半のスタッフはいるのですが、特に30代のスタッフは、旅客業務だとかなりの少数派と言って差し支えないと言えます。
20代前半のスタッフが多い理由とは
では、なぜ20代前半のスタッフが多く、年齢層が偏っているのでしょうか。
それには、以下のような理由が挙げられると考えられます。
- 給与が安い上、昇給も幅が限られている(グランドハンドリング会社)
- 勤務が不規則で過酷
- 人間関係がきついことも多い(2の理由の影響も多々あると思います。)
それでは、上記の理由を一つずつ見ていきましょう。
1.給与が安い上、昇給も幅が限られている(グランドハンドリング会社)
グランドハンドリング会社は、あくまで航空会社からの受託で業務を行っています。
悪い言い方をすれば、下請けというわけです。
航空機のDLYといったトラブルでスタッフに残業が発生した場合、もちろんグラハン会社から航空会社にその分の料金を請求します。
しかしトラブルが全くないと仮定した場合(実際はありえませんが)、航空会社からグラハン会社に支払われるお金は、一定額というのが当たり前ではないでしょうか。
つまり、グランドスタッフが経験を積んでいって、スキルが上がったからと言って、航空会社にその分の料金を上乗せすることは不可能なのです。
決められたパイ(受託費)を、スタッフ間で分配するしかないのです。
こうした理由で、役職についていない一般のグランドスタッフが例えばカウンターの責任者といった役職についても、その手当は微々たるものです。
役職について責任が重くなるのに、一般スタッフと大差ない給与で働くことになる可能性が高いです。
2.勤務が不規則で過酷
グランドスタッフは、一般的に早番や遅番といったように、勤務時間が日々異なる生活を送ります。便数の少ない地方空港だと、極端な早朝、深夜勤務はない場合もあるでしょう。
しかし、特に羽田、関空、中部といった都市部の24時間運用空港では、早朝や深夜のフライトも多数あります。
朝6時出発の国際線の便であれば、多くのエアラインでは、3時間前の朝3時からカウンターをオープンしてチェックインしなくてはいけません(カウンターのオープン時間は各エアラインによってことなりますが)。
一般のオフィス勤務の人たちが寝ている時間や曜日に、働かなくてはいけないというのは、慣れれば平気ですが、辛い心境になることもありました。
3.人間関係がきついことも多い
グランドスタッフ(特に女性)はきつい性格の人も多く、ストレスがたまることもあるかと思います。私が入社した際も、カウンターの責任者であるSV(スーパーバイザー)の女性がきつい性格で、特に気に入らないスタッフ(特に女性)に対しては、きつく当たっていたのを覚えています。
私はなぜかそのSVと相性が良く、そのSVの気に入らないスタッフがすると、きつく当たられるようなミスでも、私の場合は「今度から気を付けてね。」の一言で済んでいました。
人によって当たりを変える性格の人間は、私が一番苦手な人種なのですが、そのSVが他の空港に移動するまで、穏便に勤務できたのは幸いとしか言いようがありません。
本来はそこまできつい性格の人でなくても、前述の2で挙げたように、不規則な勤務をしていると性格が変化する人も多かったように思います。
まとめ
グランドスタッフは、過酷な環境におかれる覚悟が必要な仕事だと言えます。
20代前半の方であれば問題ないかもしれませんが、その年代でもきついと言っているスタッフは多かったです。
特にグランドハンドリング会社に就職しようとする場合、CAへの転職や、航空会社本体のグランドスタッフ採用を狙うなど、しっかりしたキャリアプランを持つことが必要だと思います。