グランドスタッフが使う用語編(1)

グランドスタッフが業務中に使用する用語を、今後徐々に紹介していきたいと思います。

GD(General Declaration)

国際線航空機運航にあたり、出発や到着時に必須とされる書類です。

航空会社名、便名、機体番号(レジ番)、CREWの性別、国籍、パスポート情報等が記載されています。

GDの配布先は、CIQ各所です。また、出発便や到着便の機体にも搭載されます。

私がグランドスタッフだった頃は、GDを手配りしていました。

出発の際は、入管、税関(CI)、到着の際は入管、税関、検疫(CIQ)各所に歩いていき、職員に書類を手渡すわけです。CIQ各所のオフィスは離れたところにありますので、意外と時間がかかります。

現在グランドハンドリング会社では、以下の「NACCS」というシステムを使用している会社が多いのではないでしょうか。CIQに対し、オフィスの端末からGDのデータを送信することができます。

NACCS

輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)は、「総合的物流情報プラットフォームシステム」としてのNACCSを通じて、国際物流の発展に貢献します。

しかし、GDの手配りもカウンターから離れることができ、気分転換になったので、私は結構好きな作業でした。

PM(Passenger Manifest)

PAX(搭乗客)リストです。

PAXの氏名、性別、国籍、パスポート情報が記載されています。

グランドスタッフは出発が迫ると、ゲートのプリンターでPMを印刷し、GDとともに出発便の機体に搭載します。PMはシステムを通じて、到着地の空港にも送信され、到着空港のスタッフはこのリストをCIQに提出することとなります。

機体番号(レジ番、シップナンバー、テイルナンバー)

先程のGDの説明で、機体番号(レジ番)という記述がありますが、これは英語でRegistration numberのことで、全ての民間機にはこの機体番号が割り当てられていました。

私の所属していた職場では、レジ番と呼んでいました。

アルファベットと数字の組み合わせで、頭の文字でどの国の機体かわかります。

写真は、成田からまもなく出発しようとするセブパシフィック航空マニラ行きです(筆者撮影)。

画像を拡大してみると、尾翼の付け根の下あたりに、RP-C3346という番号が記載されています。テイルナンバーとも呼ばれる理由はここにあり、飛行機のお尻近くに番号が記載されているからです。RP-Cから始まる機体番号はフィリピンです。

以下、国ごとのレジ番一例です。

フランス F-XXXX 例、F-GSPO

ドイツ  D-XXXX 例、D-ABYH

中国   B-XXXX  例、B-3337

香港   B-XXX    例、B-LEE

台湾   B-XXXXX 例、B-13568

日本   JA-XXXX  例、JA607A

GDを作成する際は、このレジ番を必ず正確に記載する必要があります。

今回ご紹介したこれらの2つの用語も、国際線グランドスタッフが新人研修で必ず習得する用語です。

今後、その2をお送りする予定です。