予定していたフライトに搭乗できなかったPAX/パスポート有効期限には注意を!

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カウンターでのドキュメントチェック

国際線グランドスタッフの重要な業務の一つとして、ドキュメントチェックがあります。カウンターにSHOW UPしたPAXが、渡航先の目的国に入国する要件を満たしているか(ドキュメントが揃っているか、適切なドキュメントか)を確認するのです。

グランドスタッフのチェックインカウンター業務にいて、お伝えします。

この作業を怠ってしまい、目的国に入国できなければ、エアラインの責任となります。そして、エアラインが罰金を支払うことになってしまいます。

今回ご紹介するケースは、そんなケースを未然に防いだものです(文中の区間は、架空のもので、私の実体験と脚色が混じっています)。

入国要件の確認はとても大切

HND(羽田)のとあるチェックインカウンターで、チェックイン業務が始まりました。このカウンターは、HKG(香港)行きの外資系エアラインのものです。

大多数のPAXが、HKGを目的としていますが、HKGは乗り継ぎにも便利な都市。HKGから先へトランジットがあるPAXも一定数います。今日はHKG行きで、トランジットなしのPAXが多いな、と考えていたところ、早速とトランジットがあるPAXがSHOW UPします。

当該のPAXは日本国籍のTCP4(4人連れ)の家族。行程表を確認すると、HND-HKG-DAD(ベトナムのダナン)です。

日本国籍の場合、ベトナムへの入国は出国時に6か月以上の残存期間が必要となります。6ヵ月未満の場合、ビザが必要です。通常グランドスタッフは、このような入国要件を、「TIMATIC」と呼ばれるシステムで調べます。

今回は、国際線グランドスタッフには必須のツールである、TIMATICについてです。 TIMATICとは? TIMATICとは、IATA(...

さて、ここでトラブル発生です。

パスポートの残存期間が…

なんとTCPのうち2名のパスポートの期限が、出発日の今日、既に半年を切っています。しかも、ビザを所持しているわけでもありません。

念のため、カウンターのスーパーバイザーがエアラインの本国担当に確認するも、もちろん答えはNO。このままでは、旅に出られません。

幸いだったのは、HKGトランジットだった点です。HKGは、パスポートの残存期間が、6ヵ月を下回っていても入国可能です。そして、ダナンでの工程は全てキャンセルし、ベトナム旅行が香港旅行へと変更となりました。

その4人連れの皆様は、そこまで大きく落胆した様子もなく、すぐに香港旅行へと気持ちを切り替えることができたようで、ほっとしました。

まとめ

特に海外旅行に出かける際は、パスポートの残存期間、ビザの有無等、要件に充分注意しましょう。旅行が台無しになる可能性もゼロではありません。

現在はコロナ渦で海外旅行はできない状況ですが、行けるような状況になった際は要注意です。ご出発前に今一度、渡航要件の確認をおススメします。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。