BP(ボーディングパス)

グランドスタッフは、ボーディングパスのことをBPと呼びます。

モバイルBP

最近特に国内線では、紙のBPを必要としないことも多くなってきましたね。

スマホや紙で、搭乗券を自宅で受け取れる場合が多く、とても便利です。

私がメインで担当していたキャリアも、現地の空港ではそういったモバイルBPで搭乗できたようなのですが、私の空港ではなぜか不可でした。

チェックインバゲージがなく、バゲージはハンドキャリーで機内持ち込みだけ、という場合もカウンターに寄って頂き、紙のBPをわざわざ発行していました。

国際線の場合、渡航先の国に入国するためのビザを所持しているか、パスポートの有効期限は充分にあるか、といった確認事項があるので、確かに一度はスタッフの確認が必要です。

しかし、わざわざ紙のBPを発行する意味は全くの謎でした。

BPをなくしてしまったら

紙のBPのデメリットは、やはり紛失です。

チェックインが終わって、パスポートにBPを挟むことも多いと思います。保安検査場に着くと、検査員がパスポートとBPをチェックしてくれますね。同時に、手荷物を検査用のトレイに入れたりといった作業もあり、何かと隙ができます。

それでは、実際に無くしてしまったら、どうするのかです。

私も搭乗ゲートで、PAXからBP紛失の申告を受けたことが何度かあります。

その場合、まずはBPを所持しているPAXにボーディングしてもらます。BPを紛失したPAXには、最後までゲートで待機してもらい、他のPAXが搭乗完了してからBPを再発行します。

万が一そのBPを拾った旅客が紛れ込むと危険だから、という理由だと聞きました。

ボーディングの際、PAXとパスポートの写真、氏名とBPを照合するという本人確認を行います。しかし、それでもチェックもれの可能性があるので、こうした方法を取っているのでしょう。

手書きのBP

BP編最後の話題は、手書きのBPです。

私も一度しか経験がありません。

その日、1便目を無事出発させた私は、他のスタッフたちとオフィスに戻りました。

そのとき、衝撃的な事実をスーパーバイザーから伝えられます。なんと、チェックインで使用するシステムがダウンし、2便目のチェックインに備えて、手書きでBPを発行する必要があるとのことです。

2便目までは、幸い2時間ほどありました。それまでに、休憩を取る予定だったのですが、それも怪しくなってきました。

他のスタッフと主に、必死に160名ほどのPAX全員分のBPを手書きします。

便名、PAX氏名、出発時刻、ゲート等の情報を手書きし、航空会社のバリ印(バリデーションスタンプ)を押します。バリ印は、手書きのBPが正当なものであることを証明するためです。

無事休憩も取れ、恐る恐るチェックイン開始の時間を迎えた私たちに告げられたのは、更に衝撃の事実でした。なんと、チェックインシステムが正常に戻ったとのことです

マニュアルチェックイン(チェックインシステムを使わず、手動でチェックイン作業をすること)についても、当時私は手順を知りませんでした。

無事チェックインシステムが復活し、通常のBPが発行できたときは心底ほっとしました。

まとめ

紙のBPはどんどん減る一方です少し寂しいですが、なくすことがないのは本当に大きなメリットですね。全てのPAXが自分でモバイルBPを受け取れば、システムがダウンしても、手書きをする手間もなくなるのかもしれません。