ショーパス(Shore pass)とは

今回は、ショーパス(Shore pass)についてです。

ショーパス(Shore pass)

グランドスタッフは到着便のクルーの上陸に際し、ショーパスと呼ばれるオレンジのカードをイミグレーションに申請します。これは、航空機にクルーとして乗務する人たちに与えられる上陸許可書です。

単語としては、ショアパスという発音が正しいのですが、私の会社では皆ショーパスと呼んでいました。

ショーパスがあれば、日本入国するためにビザが必要な国籍の人でも、ビザ取得は必要ありません。例えばフィリピン国籍の人が日本に入るには、本来はビザが必要となります。しかし、ショーパスを持っていれば、日本へ入国ができます。

ショーパス(Shore pass)の発行手順

グランドスタッフは、到着便のCREWリストであるGD(General Declaration)と、ショーパスの申請書をイミグレーションに対して提出します。それに基づき、イミグレーションの職員がCREWの人数分、オレンジのカードを発行してくれます。

到着便のCREWは、イミグレーション事務所近くのカウンター付近にある来て、GDに記載された自身の氏名にチェックを付け、パスポートとCREWIDを入管職員に提示します。更に、ショーパスにも自身の氏名、国籍、パスポート番号等の情報を記載(これはグランドスタッフが事前に記入し、CREW自身はサインだけをすることが多いです。)します。

ショーパスの有効期限は、申請日を含めて8日間としていました。

CREWはこのように、一般の人とは少し異なる入国方法を取っているのです。




ショーパス(Shore pass)についての制限事項

一般のPAXとは異なる入国方法で入国したCREWには、いくつかの制限があります。

  • 乗り換えのために他の空港に行く場合を除き、行動範囲が基本的に空港周辺の自治体のみに限られる。
  • 報酬を受ける活動ができない。

前述の行動範囲というのは、羽田空港から上陸したCREWの場合、基本的には東京都と神奈川県のみとなります。しかし、入国審査官の許可を得た場合は、この限りではないとのことです。

もうひとつのショーパス(PAX用)

PAX用にもショーパスがあります。これもCREWと同じ、オレンジ色をしています。

ではどのような場合に、ショーパスを発行するのかです。

例えば、PAXが羽田空港から上陸し、翌日に成田空港から再度出国する場合です。ビザなしで日本に入国できる、アメリカ、香港といった国籍のPAXは、ショーパスは不要です。日本入国には本来ならビザが必要な国籍のPAXに対して、発行します。

あくまで乗り継ぎやそれに伴う休息のために、72時間以内に限り、入国を認めますという制度です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%84%E6%B8%AF%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E9%99%B8

Wikipedia 寄港地上陸

PAX用ショーパスを発行するためには、パスポートと乗り継ぎ便の予約情報が必要です。

まとめ

国際線グランドスタッフとして働き出すと、すぐに覚える業務です。

空港から離れた現在も、未だにショーパス紙の手触りを鮮明に記憶しています。ショーパスは、CREWの上陸許可に関わる、大切な書類で、紛失したら大変なことになります。

CREWに渡すまで、細心の注意を払いながら管理していたことも未だに覚えています。

コメント

  1. kimura satoshi より:

    こんにちは。
    shore passのところを拝見・参考にさせて頂きました。
    ありがとうございます。
    今度、アメリカ出張の帰りに
    米国ー>日本ー>フィリピンと日本にTransitしてフィリピンへ帰国予定です。(私はフィリピンに駐在中の日本人です。)それで同行のフィリピン人女性がおりまして、Transitながら10時間ほどあるので、折角なのでshore pass利用して彼女が日本入国できる簡単な方法を考えていたところでした。あまり一般人が本Passを使うことの説明があるものがなかったので非常に参考にさせて頂きました。
    ちょっと質問になるのですが、PassportとItinerary(滞在時間が72時間以内が証明できる)があれば特に問題なく通るものなのでしょうか?
    ご経験からのコメントでいいので頂けますと幸いです。
    宜しくお願い申し上げます。

    • かける より:

      こんにちは。お読み頂きありがとうございます。
      記載頂いたルートにて、例えば日本のトランジットが(成田→羽田や羽田→成田といった異なる空港同士)であれば私の経験上許可されていました。
      しかし、成田→成田もしくは羽田→羽田といった同一空港内のトランジットでは、日本入国ビザが必要な国籍の方の場合、国際線乗り継ぎ導線を経由し、出発エリアでフライトまで待機されるのが一般的なケースです。
      前述の異なる空港同士のトランジットでは、一般的に許可されるはずなのですが、あくまでその許可は入国審査官によるもので、航空会社によるものではございません。
      念のため、お手数ですがご利用の航空会社にご確認の上、米国での日本行きフライトチェックイン時、その旨担当の地上係員へも申告されるのが無難です。
      なお、必要なものはPassportならびにItineraryであることは、現在でも変わりはないはずです。

  2. kimura satoshi より:

    コメントありがとうございます。
    参考になります。
    TravelAgentのSuggestionもあり、本PassはどうなるかRiskあるので、TransitPassを取ることを推奨されました。
    従いまして、TransitPassを取る方向で進めたいと思います。
    こういったあまりStandardではないケースでのアドバイスは非常に参考になります。
    重ねてお礼申し上げます。

    • かける より:

      ご丁寧にありがとうございます。
      やはり、TransitPass取得の方が安心ですね。10時間程の乗り継ぎとのことで、短いながらも日本で良い時間を過ごされますよう、願っております。安全で良い旅となりますように。