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到着業務
今回は到着業務について、見ていきましょう。
到着業務は以下のようなことをします。
到着便のドアオープン
到着便の機側(シップサイド)にスタンバイし、到着便のドアオープンに立会います。
飛行機が到着すると、PBB(ボーディングブリッジ)を飛行機に取り付ける作業をグラハンさんが行ってくれます。
作業が終わると、グラハンさんまたはグランドスタッフが機内のCAに、ドアを開けてもokのサインを送ります。
機体のドアが開いたら、降機するPAXの数、ケアが必要な旅客等の情報をチーフパーサー(常務しているCAのトップ)引き続き、PAXが降機します。
特別なケアの必要な旅客のケア
車椅子(WCHR)、目の不自由なPAX(BLND)といった、お一人では降機が難しい旅客のケアを行います。
LL(Lost & found)業務
到着した旅客は、検疫、入国審査を経て、チェックインバゲージが返却されるターンテーブルに到着します。
LL担当のグランドスタッフは、航空機が予定していたスポット(駐機場)に入る少し前に、到着ホール(BC、Baggage Claimと呼ばれます。)で待機します。
BCに到着したら、グランドスタッフはターンテーブルに、便名と荷物のステータスを表示させる準備を、端末で行います。
※ステータスとは、「手荷物返却準備中」、「手荷物返却中」といった表示のことで、ターンテーブルの真ん中あたりにディスプレイがあり、PAXは自分の搭乗していた便のチェックインバゲージが返却されているかどうかを確認できます。
航空機が駐機場に入ると(ブロックインと呼びます)。航空機の貨物室のドアを開け、グラハンさんが、PAXの手荷物や貨物の搬出を開始します。

貨物室のドア(カーゴドア)を開け、荷物搬出準備をする、マニラからのフィリピン航空機。
遠いスポットであれば、チェックインバゲージの返却が始まるまで、ブロックインから20分以上かかる場合もあります。
チェックインバゲージの返却が始められる段階になると、グラハンさんからトーキーで、「××便バゲージ返却開始します。」との連絡が入ります。
バゲージ返却開始
チェックインバゲージの返却が始まりました。
順調に手荷物が返却され、ターンテーブル周辺のPAXも、続々と帰路につきます。
しかし、ここで問題が発生します。最後にターンテーブルの傍にいた旅客から、チェックインバゲージが出てこないとの申告です。
未着発生
旅客からの申告は、この便の前に乗り継ぎがあり、その便が遅れていたとのことでした。
※例えば以下のような場合です。
セブ(CEB)-マニラ(MNL)-羽田(HND)
PAXは、セブの空港でバゲージを羽田までチェックインしました。しかし、セブ発マニラ行きは、マニラ空港への到着が遅れ、マニラ発羽田行きの航空機に、当該PAXのバゲージを搭載できませんでした。
未着対応
グランドスタッフは、旅客に書類を記入して頂くとともに、ワールドトレーサーと呼ばれる航空手荷物検索システムで、手荷物の位置を検索します。
幸いマニラにあることが判明し、翌朝の便で羽田に送ってもらうことになりました。
PAXも冷静な様子で応対してくれました。そして丁重にお詫びした後、すぐに帰宅されました。
※旅客によっては、ヒートアップする人もいます。日本人PAXにその傾向が強いです・・・
まとめ
グランドスタッフの仕事には、チェックイン、ゲートといった華やかなイメージが強いかと思います。しかし到着業務は非常に地味で、LL業務は、もはや敗戦処理のような仕事といって差し支えないと思います。
今後もグランドスタッフ業務について、シリーズでお送りする予定です。