今回の記事では、具体的にグランドスタッフとして就職・転職を希望する場合、どのような種類の会社があるか、という点についてお伝えします。
航空会社
言うまでもありませんが、航空会社本体の採用です。
しかし、航空会社本体の採用は、後述するグランドハンドリング会社のものと比べ、枠が圧倒的に少ないのが現状です。
外資系航空会社では、後述するように、カウンターに1名ないし2名の社員を配置し(REP、Representativeの略、レップと呼ばれます。)、グランドハンドリング会社社員のスーパーバイズ(管理監督)業務を行っています。
グランドハンドリング会社
グランドスタッフというと、航空会社の社員が担当しているのでは、と思われる方もいらっしゃると思います。しかし、実際は委託会社の社員がチェックイン業務を行っている場合が大半です。そうしたグランドハンドリング会社の社員が、航空会社のREPの監督下で、業務を実施しています。
こういったグランドスタッフ業務を行っている会社をグランドハンドリング会社と呼びます。
そのような会社は、各エアライン(航空会社)からグランドスタッフ業務を受託し、実施しています。
グランドハンドリング会社にもいくつか種類があります。
航空会社系ハンドリング会社
これまでの記事でも少し触れましたが、日系大手のJAL、ANAにも、グランドスタッフ業務を行っている会社があります。
それぞれ、JALスカイ、ANAエアポートという会社です。そのような各社が、航空会社系ハンドリング会社です。
それぞれ、JAL国内線ならびに国際線、ANA国内線ならびに国際線のグランドスタッフ業務を実施しています。またそれに加え、外資系航空会社各社からの受託で、外国航空会社の業務も行っています。
JALスカイ
ANAエアポート
他の多くの日本企業と同じく、新卒採用を活発に行っています(※コロナウイルス感染拡大前)。それぞれ航空会社の系列会社ですので、航空券を無料または、格安で購入できるという大きなメリットがあります。
独立系ハンドリング会社
航空会社の系列には属さない、またはその資本の入っていない、独立したハンドリング会社です。
スイスポートジャパン
FMG
上記のような会社が1例です。
特にスイスポートは、全国各地の空港(成田、羽田、中部、関空、福岡、那覇)で業務を幅広く展開しています。
これらの会社のメリットは、募集人員も多く、グランドスタッフとしてキャリアを積むチャンスを得られやすいことです。受託している航空会社の数も多く、様々なエアライン業務を経験するチャンスがあります。
次にデメリットはやはり、航空会社に属していないという点です。割引航空券は、全空港従業員を対象としたものしか使えません。
また、給与水準も航空会社に比べれば見劣りするというのも否めません。
しかし、グランドハンドリング会社で経験を積んで、航空会社に転職する人も多くいますので、キャリアを積む手段として入社するのは大いにありだと思います。
グランドスタッフ志望の方、航空業界に興味がある方におすすめの本
上記リンクの「エアライン・ビジネス入門」では、航空機の発達、エアラインビジネスの歴史といった航空産業の歴史からスタートし、グランドスタッフ志望の方にも参考になる、旅客ハンドリングについての項目もあります。
更には、客室サービス、航空貨物、ケータリング、といった様々な項目から、航空産業を総合的に把握することができます。
航空機に関わるビジネスは前述の貨物、ケータリングといった、様々なものが存在します。
グランドスタッフとして旅客業務に関わることも良い選択肢だと思います。しかし、貨物ハンドリング、ケータリング会社への就職といった、航空産業で働く上では、多様な選択肢が開かれていることも事実です。ご自身の適性に合わせた選択肢を一考する上で、視野を広めるためのヒントを与えてくれる本でもあると思います。
グランドスタッフ志望の方は、もちろん、航空産業について純粋に知り、知識を深める上で最適な1冊と言えます。
まとめ
グランドスタッフとして働きたいという場合の選択肢をお伝えしました。各社採用の時期も異なってきますので、グランドスタッフになりたいと思っても、希望の会社の募集が出ていないことも、多々あると思います。
しかし、グランドハンドリング会社に就職し、チャンスを待つといった打開策もあります。
皆さんそれぞれが、良い選択をされることを心から願っています。