航空機周辺での作業時における注意事項 2

以前の記事で、航空機周辺で作業する際、注意すべき項目についてお話しましたが、その2回目です。

グラハンスタッフやグランドスタッフが航空機の近くで作業する場合には、注意しなければならない事項があります。主にグラハンスタッフ向けの事項には...

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航空機周辺での作業時における注意事項 2

アンチコリジョンライト

今回は、アンチコリジョンライト(衝突防止灯)についての話題です。アンチコリジョンライトと毎回発音するのは長いので、現場では「アンコリ」と略したりします。

アンコリは機体の胴体上下の2箇所(赤色)、翼端の2箇所(白色)があります。それぞれ点滅するようになっており、機体の存在をわかりやすくし、衝突を防止する重要な役割を担っています。

羽田空港第2ターミナルにて、管理人が撮影。プッシュバック直前のANA機。

Airliners are loaded with exterior lights. Find out why airplanes have so many lights, what they do, and how pilots use them!

※上記サイト「aerosavvvy」よりお借りしました。

胴体上下の赤色アンコリですが、スポット(ゲート)からプッシュバックし、タキシングする際に点灯させるものです。

アンコリが点灯(私がグランドスタッフだった頃は、アンコリが回ると言っていました。)するタイミングは、プッシュバック直前です。点灯しているということは、動き出す用意が出来ていることを意味します。つまり、これが点灯している航空機接近することは、危険を伴います。

例えば、ランプ内を運転している場合です。ランプ内には「サービスレーン」と呼ばれる場所があります。誘導路の一部ではあるものの、航空機の通行がない場合に限り、空港内の車両が通行できる道路となっている箇所です。

ここを通行するとき、近くにアンコリを点灯させた航空機がいる場合は、一旦停止します。そして、航空機を優先させると言う訳です。ランプ内では航空機最優先のルールがあるため、アンコリを注意して観察することは、とても重要なのです。

タキシング速度

航空機は案外高速でタキシング(地上走行)しています。時速50km程度になることもあり、タキシング中の航空機の動向に注意することは、非常に大切です。

ランプ内を運転中、航空機が向こうに見ました。まだ遠くに見えるから、通ってしまおうと考えるのは禁物です。

ハンドリングがあるから、ランプ内を運転していることが大半だと思います。時間の制約がある中、できることなら少しでも早く、目的のスポットや場所に到着したい。ランプ内で運転する誰もが、そう思っているでしょう。

しかしそうした時こそ、航空機の動向をしっかり観察し、少しでも危険を感じたら、止まりましょう。焦る気持ちがあればあるほど、航空機が接近していても、「まだ通れるだろう」などと考えてしまいがちです。

まとめ

航空機の動向(アンコリ点灯、タキシング速度)に注意し、安全なハンドリングを行うことが必要なのは言うまでもありませんが、やはり時間に余裕を持ち、現場に向かうことが、精神的な余裕に繋がります。

※アイキャッチ画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。