グランドスタッフの受けるクレーム 出発編

いつもPAXの接客の最前線に立つグランドスタッフ。接客はグランドスタッフという職種の魅力でもありますが、辛い場面もあります。

グランドスタッフの受けるクレームには、どのようなものがあるのでしょうか。私自身の経験を中心に、見ていきます。

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出発業務編

グランドスタッフの出発業務とは、チェックインカウンターでのチェックイン業務や、ゲートでの搭乗業務等のことです。

こうした業務の中で受けるクレームは、DLY(ディレイ、遅れ)、シート、バゲージに関するものがあげられます。

DLY

私が主に担当していた東アジアのLCCですが、台風が多い場所であったこともあり、9月~10月にかけては台風によるDLYが度々発生していました。

私の勤務空港を0100に出発し、現地には早朝0500頃到着の1便目は、現地在住の人が日本から戻り、そのまま仕事に行くという予定を組んでいる人も多かったです。

現地の空港を出発した機材が、そのまま1時間ほどのターンアラウンドで再び折り返していくタイトなダイヤということもあり、平時でも定刻で出発させるにはなかなか神経を使うフライトでした。

台風での3時間遅れの際には、カウンターでのチェックイン待ちをしているPAXが怖かったです。そして、チェックイン業務が開始されると、PAXからのクレームを受けます。こうした場面では、一般的な傾向として、日本人PAXからのクレームが多いです。日本人は交通機関の定時運行に慣れていることも理由でしょう。明日の仕事に間に合わない、どうしてくれるんだ?といった具合です。

最近は台風接近の際、鉄道を事前に計画運休させるオペレーションで、混乱を未然に防ぐ努力がされていますが、ひと昔前はそうではありませんでしたね。台風なので仕方がないのですが…

その他にも、使用機材の故障でメンテナンスをしたりといった原因で、DLYが発生します。

こういったシチュエーションでカウンターやゲートに立つのは、胃が痛くなるようなイライラした空気を感じて、とても嫌なものです。

シート

事前にシートを指定しているわけでもないのに、カウンターにSHOW UPしてから、なんで隣同士にできないの?と言ってくるPAXもいます。そんなに隣同士で座りたければ、事前に購入してほしいものですね。

バゲージ

LCCは基本的に、チェックインバゲージは有料です。無料なのは機内持ち込みのバゲージのみで、預け荷物は有料になってしまいます。

私のLCCもその例外ではなく、日々追加料金を払いたくないPAXとの闘いを繰り広げていました。チェックインバゲージのオプションを追加していないPAXが、何とかして機内持ち込みをしようと奮闘していたり。そしてオプションを購入していても、日本で沢山の買い物をし過ぎて購入していた重量(基本的には20kg)をオーバーして、重さをごまかそうとしたりということです。

重量オーバーを指摘すると、見逃してくれと頼まれたり、それはできませんとお答えすると、逆切れされたり。絶対に払いたくないという意思を明確にするPAXもいます。

こうした場合、バゲージのルールを再度ご説明し、「このルールは、全てのお客さまにお守り頂いています。お客さまだけ例外というわけには参りません。」という必殺フレーズで反撃します。

まとめ

私がメインに担当していたキャリアはLCCということもあり、バゲージについてのクレームやトラブルが多かった印象があります。とにかく、お金を出し渋るPAXが多かったです。

安全上の理由もあり(航空機の重量バランス)、機体への搭載重量というのは、非常に大切なファクターです。グランドスタッフも安全運航を担う一員ですので、バゲージ重量オーバーは見逃せません。

皆さんもルールを守って、楽しいフライトを。

次回は到着編をお送りします。