コロナ後、航空機のシートアサインはどうなってしまうのか?

現在コロナウイルスの蔓延によって、ソーシャルディスタンシングが世界各地で奨励されています。首都圏の電車の混雑率は以前と比較し、かなり低下したものの、ソーシャルディスタンシングが実現できるレベルとは程遠いです。

インドネシアの地下鉄では、座席に×マークを付けて乗客が間隔を空けて座るように促しているそうです。日本では国土が狭いこともあり、色々な場所で、人と人との距離が本当に狭いと感じます。スーパーでもようやく、入場制限が議論されていますが、まだまだソーシャルディスタンシングへの意識は日本では低いと感じてしまいますね。

さて、今回はアイルランドを拠点とするLCC、ライアンエアの話題です。

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将来、機内でのソーシャルディスタンシングが定められる?

(以下、記事要約)

ライアンエアのCEOであるMichael O’Leary氏は、航空機のミドルシート(真ん中の座席)を空席にしなければならないというルールを今後課せられるとしたら、ライアンエアは航空機を飛ばすことはないだろうと、アイルランド当局に伝えた。ライアンエアのビジネスモデルは、可能な限り多くの乗客を輸送することで、成り立っているため、66%の搭乗率では利益を確保出来ない。

そのような規制を課すのではなく、アジアの航空会社に見られるように、乗客にマスクの着用を課したり、体温の測定をしたいという策を取るべきではないかと、同氏は述べた。

(要約終わり)

記事出典は、以下のサイトからです。

ライアンエアは、B737で運航しています。座席は、1列に3名掛け通路を挟んで2つです。ミドルシートを空席とする規制をすると、本来1列に6名座れるのが、4名になってしまします。これがルールとして課されるようになると、最大でもこれまでと比較し、最大でも66%しかPAXが搭乗できなくなってしまいます。

乗客同士の間隔を空けるというルールが、エアラインに課される可能性はあるのか?

前述の記事は、ミドルシートを空けるな規制が課されればという、あくまでも仮定になっています。どこからその話が出たのかは明らかにされていませんが、アイルランド当局者とのやりとりで、そういった可能性について触れられただけだと考えられます。

そもそもLCCでは、シート同士の間隔が非常に狭く、特に成人男性が座ると膝が前のシートについてしまうこともしばしばです。ミドルシートを空席としても、前後のPAXとの間隔は非常に狭いままなので、意味はあまりないと考えます。

みんなが感染のリスクについて神経質になっているこの状況で、もしこんなことがあったらという可能性が話題になっただけでしょう。

PAXには有難いのか?

万が一、ミドルシートを空席としなければならないといったルールが制定されたら、PAXには有難いでしょう。しかし、よく考えてみると他のLCCも同じビジネスモデルで収益を上げているはずです。よって、会社が成り立たなくなる可能性が非常に高いと思います。

つまりLCCが消滅してしまい、PAXが選択できるのはFSC(フルサービスキャリア)といった状況を生み出してしまう可能性があります。航空券の値段も高くなってしまい、安く旅行に行く手段がなくなってしましますね。結果的には、PAXが泣くという結末になってしまいそうです。全然有難くはないですね。

まとめ

コロナ後の世界は、各国で検疫体制が大幅に強化されるのではないでしょうか。航空機に搭乗するにあたって、クリニックで健康状態の証明書を取得したり、コロナウイルスのワクチンが開発されたら、ワクチン接種の証明書も必須になるような世界が来るかもしれません。

しかし、航空機内でのソーシャルディスタンシングがルールとして課されるようになれば、LCCが大打撃を受けるでしょう。そして残ったFSCも、少ないPAXで運航せざるを得なくなるため、高値でチケットを販売。旅行先として海外を選択できなくなるという、悪夢のような出来事が起こってしまうかもしれません。

くれぐれもそうならないように願っています。一刻も早く状況が終息し、以前のように自由に海外渡航できる日が来ることを、私も待ち望む毎日です。