新型コロナウイルスによる貨物・旅客輸送への影響

以前当ブログで、コロナウイルス感染拡大により、アメリカン航空やルフトハンザ航空が、旅客機を貨物機へ転用して使用しているというニュースをご紹介しました。

今回もコロナウイルスによる航空業界の影響について、海外ニュースサイトからの記事をご紹介してお話します。 現在世界各国で、外国人の入国制...

旅客機のシート部分やシート上部の収納スペースに貨物を搭載し、急造の貨物機として使用するというものです。

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ANAやJALも同じオペレーションを始める

以下、リンク切れに備えて記事要約です。

コロナウイルス感染拡大による国際線旅客輸送需要激減に反して、医療物資を中心とする航空貨物輸送需要は高まっている。客室はほとんど空席でも、貨物室は満載となっているケースが多い。JALでは4月20日から客室を利用した貨物輸送を、中国路線を中心に開始、ANAは今週中にも試験を開始とのこと。

両社とも、客室に貨物を搭載する場合は旅客は搭乗させないとのこと。

要約終わり。

世界中で行われている貨物機転用オペレーションが、日本のエアラインでも当たり前に行われるようになりそうです。貨物輸送はエコノミークラスでPAXを搭乗させるよりも、単価が高い場合も多々あるようですので、日本のエアライン各社にとっても、少しでもキャッシュを稼ぐ手段として有効でしょう。

旅客機の貨物機転用の問題点は?

やはり第一に、客室内のシートや上部の収納スぺ―スに収まるサイズの貨物であることがネックだと思います。現在は医療物資の輸送が中心ということで、マスクや医療用ガウンといった、このスペースに収納可能なものの輸送需要が中心であることから、良いのでしょう。

搭載する物を選ぶという点が、PAX用のシート部分がない貨物機との大きな違いと言えるでしょう。この状態が長引いても、貨物輸送の重要は常に存在します。現在、日本でも各地の空港に使用していない旅客機が大量に注意している状況です。今後の状況次第ですが、これらの機体のシート部分を撤去して貨物機として改造した後、完全に貨物機として転用する可能性もあるのではと、私は考えています。

今後の旅客輸送需要はどうなる?

緊急事態宣言は5月6日までとされていますが、新規感染者は特に東京都で1日で100人を超える日々が続いています。多くの識者が指摘するように、今年中の収束は難しいのではと私も思います。

国際線は言うまでもありませんが、国内移動の需要も激減しています。羽田ー伊丹といった国内線でもほとんどPAXが搭乗していない日々が続いているようです。

ごく一時的ではありますが、HND-ITM路線にエンブラエルE190(95席)を4月8日から12日まで投入していました。よろしければ以下記事をご参照下さい。

現在大半の国際線フライトと、国内線も欠航が多い羽田空港の様子を取材しました(2020年4月10日)。 ※エアカナダ、ガルーダインドネシ...

現在はテレワークを推進している企業も多く、会議もオンライン会議アプリを使用して行う機会が増加しています。特に日本企業では、首都圏と京阪神間を実際に行き来して出張を行うという機会も、コロナ拡大前はかなりあったのではないでしょうか。以前の東海道新幹線は、いつもビジネスマンがいつも多数でした。関西には旅行でしか行かない筆者は、こんなに東京大阪間のビジネス移動需要があるということに、乗るたびに少し驚きの気持ちがありました。

しかし、オンライン会議がここまで一般的になると、実際に現地に出張することの必要性について、懐疑的になっている企業も非常に多いのではないでしょうか。これまでは慣例的に何も考えずに出張を行ってきた企業も、出張をしなくてもオンラインで問題なく業務の遂行が出来ると気付き、感染収束後も出張の大幅カットに踏み切るケースも増えるのではないかと、私は考えています。

新型コロナの感染拡大で、産業構造が変化すると言われていますが、航空旅客輸送についてもそれが当てはまるでしょう。終息後もテレワークからオフィス業務に戻らない企業は一定数あり、それが航空旅客輸送にもたらす影響は決して小さくないのではと考えています。

まとめ

筆者も含め、旅行好きの人たちにとっては、どこにも行けずに辛い日々が続いています。以前のように、自由に海外旅行に行くことが出来る日々は戻ってこないのではという悲観論もあります。現在の「鎖国」状態が解かれても、検疫措置は強化されたまま残る可能性は高いでしょう。旅行に出かけようと思っている国が、入国後14日待機を義務付けていたら、旅行に出かけるところではないですね。現地企業に海外赴任が必要であるとか、現地に結婚を予定している人がいるなどよほどの事情がないと、入国はしようと思わないでしょう。

このように、国際間の航空旅客輸送状況が元に戻るかは、感染収束後の各国の検疫措置にも大きく係っていると思います。ワクチン開発後は、渡航に際してワクチンの接種とその証明書が必須となるかもしれません。一度感染して回復した人の免疫を調べ、免疫を持っていると認められる人に対しては、行動制限を緩和するという動きの国もあるようです。そうした免疫証明書も公式書類として、海外渡航時に認められる日も来るかもしれませんね。

航空旅客輸送需要が元の状態に戻るまでは、多大な時間を要しそうです。現在は人との接触を可能な限り避け、一人一人が努力を続ける他に方策はないでしょう。私も旅行に行きたい国はたくさんありますが、今はyoutubeでその国や街の情報を見たり、言語を勉強するという方法で気分転換をしています。

感染がいつ収束するか全く不明なコロナウイルスですが、一刻も早くこの状況に夜明けが訪れることをいつも強く願う日々です。