今回もコロナウイルスによる航空業界の影響について、海外ニュースサイトからの記事をご紹介してお話します。
現在世界各国で、外国人の入国制限が設けられています。その影響で、国際線定期便は大減便となっています。
仮に入国出来る場合でも、新型コロナウイルスの潜伏期間とされている、14日間は指定施設で待機する必要があったりと、国際的な移動が実質ほぼ出来ない状況が続いています。
激減した旅客輸送に対する、航空会社の対応の一例
このような状況に対し、PAXを搭乗させる旅客機を、貨物輸送用に転用する利用する会社が増えています。
https://paxex.aero/2020/03/converting-to-cargo-putting-passenger-planes-to-use-in-the-covid-19-era/
PAXEX.AERO Converting to cargo: Putting passenger planes to use in the COVID-19 era より
上記のニュースサイト記事によると、アメリカン航空はこの度、実に36年ぶりに貨物のみのフライトを実施したとのことです。デルタ航空やユナイテッド航空も同様のオペレーションを行います。そして、エアカナダもこれに続く動きを見せています。
PAX用のシートに貨物が搭乗
ルフトハンザ航空では、旅客機のPAX用座席にビニールでカバーをし、貨物を搭載するというオペレーションを開始しました。貨物として輸送されるは、医療物資とのこと。
座席に座るのは人間ではなく、貨物というのは通常ではあり得ませんので、不思議な光景です。上記さいとで、貨物が座っている写真を見ることができます。
中国東方航空も、同様にマスク等の医療物資をヨーロッパに輸送するために同様のことを実施しているそうです。
まとめ
平時でも航空貨物輸送は、我々の生活に欠かせないインフラの一つとして稼働しています。特に現在のように、感染症が世界的に猛威を振るっている状況では、医療物資や医療従事者を運ぶ航空需要が急増しているようです。
今回のような有事の際は、航空業界の中では極めて地味な貨物輸送に注目が集まる局面ですね。
旅客便が激減している現状では、旅客グランドスタッフに従事する方々には、本当に辛い状況だと思います。航空会社やハンドリング会社にとっても、旅客機で貨物を運ぶオペレーションを想定し、それについての訓練を普段から実施していれば、こういった事態でも、収益を確保できるのではないでしょうか。旅客グランドスタッフもその業務に従事することで、雇用を守れる手段として使えるのではと考えさせられたニュースでした。
以前私が成田空港の会社の面接を受けた際、旅客グランドスタッフとグラハン業務の両方ができるスタッフがいるという会社がありましたが、そのように一人一人の社員が多面的な技能を備えていると、こういった状況下で強いのではないかと考えました。
貨物機の運航乗務員の皆さんや、そのハンドリングに従事される皆さんのご安全をお祈りしております。