出発ゲートでのバゲージハンドリング(ゲートバゲージ)

通常、チェックインバゲージがある際はカウンターで預ける手続きを行うのが一般的です。その際、グランドスタッフはPAXのハンドキャリーバゲージもチェックします。

チェックインカンターが、PAXのバゲージをチェックする第一の関門です。しかし、ここでチェックは終わりではなく、搭乗ゲートでも再度チェックする必要があります。今回は、出発ゲートでのバゲージチェックにフォーカスし、その流れを見てみましょう。

まずは、カウンターでのバゲージチェックについての流れについてお伝えします。

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チェックインカウンターでのバゲージチェック

チェックカウンターにPAXがSHOW UPすると、カウンターのはかりに乗せて計量しながら、中に危険物(マッチ、ライター等)や壊れ物がないかを尋ねます。ここで問題なければ、バゲージタグを発行して、当該バゲージアタッチします。チェックインバゲージについては、手続きは以上ですが、ここではハンドキャリーについても確認します。

私がメインで担当していた東アジアのLCCキャリアは、ハンドキャリーは1個7kgとその他小さなバッグなどのパーソナルアイテム1個までと決まっていました。もちろん大きさについても制限がありました。大きさは何センチ×何センチという基準が明示されていると同時に、カウンター前にスケールが置いてあり、そのスケールに入らないものは不可という基準でした。

チェックインバゲージは有料ですが、爆買いする方が多かったため、購入したバゲージ重量では足りないPAXも多かったです。追加料金支払いを渋るPAXも多かったため、ハンドキャリーにはよく目を光らせておく必要がありました。

カウンターではハンドキャリーが規定内に収まっていても、まだ油断はできません。ゲートにPAXがSHOW UPした段階で、最後チェックが必要となります。

ゲートでのバゲージチェック

ボーディング時刻が迫り、PAXがゲートに集まり出すと必要な作業があります。ゲート内の待合スペースを巡回して、ハンドキャリーの量をチェックするというものです。

ここで再度チェックが必要な理由は、以下の通りです。

  1. カウンターではバゲージを隠していたり、免税店で大量購入するPAXがいるため。
  2. 規定内に収まっていても、キャビンのオーバーヘッドスペース容量を確保するために、バゲージをチェックインしてもらうPAXを募るため。

それでは、上記の項目について1つずつ見ていきます。

まずは1.について。自分のハンドキャリーが規定内に収まらないとわかったPAXが取る行動として、コインロッカーに隠したり、予約が別のTCPがカウンターから離れたところに待機していて、そのPAXのバゲージを一時的に預かっているということがあります。また、カウンターに来た時点では規定内だったものの、免税店で大量に買い物をしてしまい、ゲートでは規定内に収まらなくなってしまうケースもあります。

2.については、特に満席やそれに近い場合には必須のハンドリングとなります。私が担当していたのは、A320やA321といった中型機でした。通路は一本で、オーバーヘッドスペースの容量も小さいです。そこで、予めゲートでバゲージをチェックインしてくれるボランティアを募るという作業を実施します。

ゲートバッグのチェックイン作業

ゲート内の巡回を続け、上記の1と2に該当するPAXを探して、バゲージをチェックインしてもらいます。そこで使用するのが、「マニュアルタグ」というバゲージタグです。これは、チェックインカウンターで使用するものとは違い、記載はすべて手書きとなります。

PAXのBPを預かり、日付や便名、PAXの氏名を手書きで記入します。転写式になっているので、控えをPAXに渡します。ゲートでチェックインするバゲージのことを、ゲートバゲージと言います。

私が担当していたこのエアラインでは、ゲートバゲージのチェックインは無料でした。ルール違反のPAXも無料でチェックインできてしまうのが、心が痛かったです(ゲートで出発間際に料金を収受すると、DLYに繋がるという判断でしょう)。

このように、ゲートではボーディングに備えてゲートバッグをチェックインする作業を実施します。

長くなりましたので、その2に続きます。