ハンドリングでヒヤヒヤした出来事・その2 出発編

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航空機のハンドリングのヒヤリ・ハット出発編

今回も航空機ハンドリングで遭遇する、ヒヤヒヤした出来事(ヒヤリ・ハット)です。前回は到着編をお送りしましたが、今度は出発編です。

到着編につきましては、以下のリンクをご参照ください。

航空機ハンドリングでのヒヤヒヤした出来事 航空機のハンドリングをしていると、ヒヤヒヤするような出来事(ヒヤリ・ハット)に遭遇することがあり...

漢字読解スキルとヒヤリ・ハット?

私がグランドスタッフとして勤務した最初の会社は、外国人社員も非常に多く在籍していました(思い出せる限りだと、ネパール、モンゴル、フィリピン、スリランカ、中国、台湾、韓国等)。

中国や台湾等の漢字圏だと、漢字に強くて心強いのですが、その他の国出身の方だと、漢字読解スキルは本当に個人差が激しいです。

今回ご紹介する航空機のハンドリングのヒヤリ・ハットは、そうした漢字読解スキルに起因するものです。

ある日の出発業務で

その日、私はカウンターでチェックイン→搭乗ゲートという勤務に入っていました。順調にチェックインをこなし、出発時刻1時間前に搭乗ゲートに向かいます。

搭乗ゲートに到着し、システムの立ち上げ等の準備を終え、クルーからも予定時刻通りにボーディングを開始できる旨、打合せが済んでいました。

そしてボーディング開始です。PAXのSHOW UP率も高く、順調に機内へとPAXが吸い込まれていきます。ところがしばらくして、あることに気づきます。

出発する機体に搭載するGD(General Declaration)という書類がゲートに届かないのです。GDはCIQの各所に配布し、出発時は航空機にも搭載する、ハンドリングには絶対に欠かせない書類です。

詳細は以下の過去記事をご一読頂ければと思います↓

グランドスタッフが業務で使用する用語を解説します。

GD配布担当の外国人スタッフに連絡すると、まだ事務所とのこと。機体に搭載するGDをコピーしているが、どのボタンを押せばよいのかわからないとのことです…

私は大急ぎで事務所に向かい、コピー機を操作を手伝いました。半泣きのその外国人スタッフに代わり、私はGDをシップまで猛ダッシュで配達する羽目になりました。

結局、最後のPAXのボーディングとほぼ同時に、クルーに書類を手渡すことができました。ほっとしましたが、もし間に合っていなければ、DLYしていたことになります。コピー機の漢字表記がわからず、結果的にDLYを引き起こすのは非常にまずいです。

当該スタッフにはしっかりとコピー機の操作を覚えてもらい、再発防止に努めました。

まとめ

意外と盲点である、外国人スタッフの漢字スキル。特にそのスタッフは、会話能力は高かったため、まさかコピー機の操作でひっかかるとは夢にも思いませんでした。

しかしこうしたスキルも、航空機のハンドリングに影響を及ぼすことも時にはありますので、研修時には注意をもって確認することが必要ですね。