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CREWのスルー運用
国際線フライトだと、海外から日本に到着する際、当然CREWは日本に入国するのは当然と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、韓国ー日本ー韓国、フィリピンー日本ーフィリピン、香港ー日本ー香港、短距離国際線の場合は特に、入国しない場合も多いです。
例えば、ある機体がHKG-HND便を運航し、その後1時間のターンアラウンドタイム(ブロックインから搭乗開始まで)を取り、再びHND-HKG便として運航することがあります。
このような場合、CREWは入国せず機内に留まります(とはいっても、全く機内から出ない訳ではなく、搭乗ゲートまで行ってグランドスタッフと打合せをしたりします)。これを、CREWのスルー運用と呼びます。
※ターンアラウンドタイムには、PAXの乗降の他、給油といった様々な作業を実施します。
グランドスタッフターンアラウンドタイムに行う作業については↓
スルー運用は過酷?
先程の香港の例を取ってみても、HKG-HNDは4時間半程、HND-HKGは5時間程ですので、フライト時間だけでも9時間余りに及びます。ターンアラウンドタイムは1時間と仮定しましょう。それで、10時間半ぐらいですね。
更に香港の空港に、乗務の約2時間までにSHOW UP(出勤)すると仮定し、折り返しで香港に到着後、デブリ(デブリーフィング)を行うとなると、更に1時間程でしょうか。
1勤務で、15時間余りにも及ぶと考えられます。DLYが発生すると、ターンアラウンドタイムも削られますし、ほぼ休憩が取れないこともあります。そうした勤務に入っているCREWに、聞いてみたことがありますが、やはりキツイとのこと。
私が担当していたLCCでは、多くのLCC同様、CREWも機内清掃を行っていましたので、FSCと比較すると、ターンアラウンドタイムの中でも、休憩に割ける時間は少なくなります。
エアラインにとってのメリット
スルー運用のメリットは、何と言ってもCREWの滞在費がかからないことでしょう。ホテル代、タクシー代といった滞在費用はゼロになります。CREWも出発、到着で同じで済みます。
しかし、CAは往復同じメンバーが担当する場合でも、運航乗務員は2ペア乗務したり、日本の空港で運航乗務員のみが入国し、交代することが多いです。
まとめ
聞くだけで大変そうなスルー運用。私もグランドスタッフになって、そのような運用を知り、特にCAの方は大変そうだと驚きました。エアラインにはメリットがありますが、乗務する側には大変ですね。
プライベート・チャーター機でも同じような運用が行われることがありますが、それについては後日お送りします。
※本文ならびにアイキャッチ画像は、無料画像のPixabay https://pixabay.com/ja/からお借りしました。