沖止めスポット(バスゲート)でのハンドリング

航空機の駐機スポットには、沖止めとPBB(ボーディングブリッジ)付きのものの2種類があります。

搭乗ゲートから航空機まで、徒歩で行ったり、バスで移動したりしますね。

今回はそのうち、バスゲートでのハンドリングについてです。

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沖止めスポット(バスゲート)

沖止めスポットとは、空港の旅客ターミナルから離れた場所にある、駐機場のことです。

PBBスポットだと、ターミナルから航空機までボーディングブリッジが接続されており、搭乗するときは歩いて航空機に向かいます。

沖止めスポットの場合、PAXはターミナルからバスでゲートに向かいます。

沖止めスポット(バスゲート)でのハンドリング

さて、こうしたスポットでのハンドリングには注意すべき点があります。

それは、以下のような点です。

  • シップ(機体)まで遠いので、早めに搭乗してもらうようにPAXを誘導する必要がある。
  • 使用スポットまでの所要時間をしっかり頭に入れ、出発時間から逆算して余裕を持ったハンドリングを行う。
  • 他便のバスにPAXに乗らないよう、注意して誘導する。
  • バスへの誘導も、車両の動きに注意して安全に行う。

ハンドリング手順

グランドスタッフは、バスゲートの入り口(ターミナル)側でハンドリングを行う要員(搭乗券をBGR(ボーディングパス読み取り装置)にかざす、アナウンスを行う、SHOW UPしていないPAXを呼び出す)と、シップ担当(シップサイドで待機してクルーとの調整等を行う)要員に分かれます。

ターミナル側の要員と、シップ担当は、無線で連絡を取り合います。お互いに様子が直接見えないので、無線のやり取りが頼りです。

シップ担当は、クルーと一緒にシップに向かい、キャビン作業の様子をモニターします。キャビンの準備が出来次第、ターミナル側のゲート責任者に一報します。

シップ担当は、こうした光景の中で業務を行います。

そしてボーディングを開始します。1台のランプバス(ターミナルから駐機場へPAXを送迎するバス)には、約50名のPAXが乗れます。

バスが出発すると、ターミナル担当からシップ担当へ、その旨を伝えます。私の担当便では、4台ほどのバスを使用し、ハンドリングしていました。

その後の流れは、PBBゲートと変わらず、ゲートに来ていないPAXを呼び出したりといった流れでPAXを載せ、最後のバスでゲート責任者はシップに向かいます。

ミュンヘン空港のランプバス

そして搭載書類をチーフパーサーに手渡し、All PAX onboardの旨を伝え、ドアクローズです。

バスゲートでハンドリングするときの楽しみとは

バスゲートでハンドリングする際、私は特にシップ担当になるのが好きでした。

クルーがシップに入り、キャビンの準備をしている際は、他の作業をしなくても済みます。仕事と言えば、ターミナル担当に状況報告をするだけです。

PBBのゲートだと、ボーディング前には、PAXがキャビンに持ち込むバゲージが、多すぎたり、大きすぎることはないか見張ったり、問い合わせに対応したりといった作業があります。

しかし、シップサイド要員は、そういった作業ができません。ボーディング前に、ゆったりとした時間があるのはいいですねw

更に、キャビンの準備をしているクルーがおやつをくれたり、少し雑談したりと、気分転換ができることもあります。グランドスタッフをやっていてよかった、と思った瞬間でした。

出発するときも、シップから少し離れたところで、低いところから機体を見上げる格好で、見送ります。

ターミナルにいるときは、エンジン音は少し聞こえにくくなりますが、バスに乗っていると、エンジンの爆音が良く聞こえます。

まとめ

バスでスポットまで行かなければならない、バスゲートでのハンドリングは少し面倒です。しかし、飛行機好きの人にとっては、機体の間近でハンドリングできる良い機会ですね。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像のPixabay (https://pixabay.com/ja/)よりお借りしました。