タキシング後の燃料補給?

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ある日の出発機ハンドリング中に

プライベート・チャーター機ハンドリングをしていたある日、私は出発便を担当していました。その機体は商用でヨーロッパ某国から飛来し、帰りはパリ経由で商用を済ませた後、帰国とのこと。

その日私はCREW担当となり、CPTとFOやアテンダントを出迎え、出国審査を経てシップへと運転して送りました。

その後、WAT(飲料水)搭載やケータリング搭載といった、出発準備が順調に行われる中、キャプテンからあるリクエストがありました。

意外なリクエスト

それはタキシング後、ランウェイに近いスポットで再度燃料を入れたいというもの。

その日使われていたのは、プライベート・チャーター機用駐機場から最も遠いランウェイでした。タキシング時間にして、20分ほどは要します。

そういったリクエストは聞いたことがなかったため、一応スーパーバイザーに確認。しかし、答えは当然ながらNGでした。

定期旅客便でも、ターミナルから遠いランウェイから離陸することは日常的ですし、そういった場合でも離陸前に再度燃料補給は当然しませんよね。事前にタキシングフュエル(タキシングに要する燃料)を計算し、機体に搭載すべきという結論をCPTに伝え、了承してもらいました。

タキシングに要する燃料量は?

下記リンクによるとB747の場合、15分のタキシングで1トン(1,000ℓ)近い燃料を消費するようです。因みに747-400の場合、最大燃料搭載量は以下の通りです。

最大燃料積載量
57,285ガロン (216,840リットル)

意外と侮れない量を消費しますね。タキシング中の燃料消費は、CO2(二酸化炭素)の排出にも繋がり、望ましいことではありません。

タキシング中の燃料節約方法は?

タキシング中の燃料を節約すべく、ルフトハンザ航空が、フランクフルト空港で「TaxiBot」と呼ばれるトーイングカーを使用しているそうです。

これは、ゲートからランウェイの手前まで航空機を牽引してくれるものだそうで、年間11,000トンの燃料節約効果があるそうです。通常のトーイングカーと異なり、コクピットから操舵できるのが特徴です。これから離陸する航空機にとって、地上で消費する燃料ほど無駄なものはありませんので、実に効果的だと思います。

まとめ

リクエストしてきたCPTは、TaxiBotを使用した経験があるのかもしれないと、今になっては考えてしまいました。タキシング中の燃料消費は、少ないほど良いですし、節約するに越したことはありませんね。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。