プライベート機は、機体オーナーの都合でスケジュール変更できる点こそが強みです。しかし、中にはちょっと大変な変更やキャンセルもあります。
プライベート機のハンドリングで大変な点は、以下の記事でお伝えしました。
コンテンツ
運航まで24時間を切っている場合の変更(外国籍航空機)
特に外国籍プライベート機の場合、国内での運航には制限が発生する場合(カボタージュ規制)もあるため、その制限に抵触する場合のスケジュール変更は、ちょっと大変です。
例えばHKGからHNDに飛来した香港国籍のプライベート機の運航区間が、以下のものだったとします。
HKG(香港)-HND(羽田)-KIX(関空)-HKG(香港)
HKGから予定通りに、HNDに本日(11/5)に14:00に到着したとします。機体オーナーが東京での商用を終えたあと、関西での商用のため(HND発は11/6の07:00)KIXへ。その後11/8中にHKGへというスケジュールです。
しかしオーナーからHND到着後、「明日のKIXへのフライト予定を、午後にしたい。」とのリクエストが(現在、14:00過ぎと仮定しましょう。ところが、これは不可なのです。航行時刻の24時間前を切っていると、外国籍の航空機の国内移動(HND-KIXといった国内の空港間での運航)運航時刻の変更は不可というルールがあるためです。
こうした場合、機体だけをフェリー(回送)し、オーナーは午後新幹線で関西に向かうという方法を採ります。意外と制約があるのが難しい点ですね。
国内運航区間のキャンセル
ちなみに、国内運航区間を当日キャンセルするのは難しくありません。
HKG-HND-KIX-HKGをHKG-HND-HKGにするようなケースです。
HND-KIXについては運航申請取消を行い、HNDからHKGへの出発スロットを確保し、CIQやグラハンの時刻も合わせて変更し、対応完了です。
まとめ
外国籍プライベート機の運航には、制限もありますが、できること・できないことを適切に把握するのが必要です。できないことはしっかりと説明し、代替案を示すことが、ハンドラーとしてのサービスですね。
※アイキャッチ画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。