航空法第127条 外国航空機の国内使用とカボタージュ規制について

今回は、航空法第127条についての話題です。

航空法第127条とは?

航空法第127条 (外国航空機の国内使用)
外国の国籍を有する航空機(外国人国際航空運送事業者の当該事業の用に供する航空機及び第百三十条の二の許可を受けた者の当該運送の用に供する航空機を除く )は、本邦内の各地間において航空の用に供してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。

初めて読む方は、何のことやらという感じですね。航空機には国籍それぞれ国籍があります。

グランドスタッフが業務で使用する用語を解説します。

当ブログでも、過去の記事で各機体には国籍があり、機体番号が割り振られているという話題を扱っています。例えば日本ならJAから始まる機体番号、アメリカならNから始まる機体番号が充当されます。

つまり、アメリカ国籍や中国国籍といった外国籍航空機は、日本国内区間のみの運航が基本的にはできません。例えば、アメリカの航空会社が日本国内の羽田ー福岡や、羽田―新千歳といった区間の運航はしていませんよね。

日本国内区間のみを運航するのは、基本的には日本の航空会社のみです。海外の航空会社がこの区間を運航すると、日本の国内線のシェアを外国の会社と争うことになってしまいます。この法律は、国内産業を保護するためにあるのです。

多くの国では、このように自国産業保護のための規制が設けられています。これをカボタージュ規制と言います。しかしプライベート・チャーター機の場合、前述のように特別な申請をすれば、運航は可能です。

プライベート・チャーター機ハンドラーと航空法第127条との関わり

さて、この航空法第127条がどのようにプライベート・チャーター機のハンドリングに関わってくるのか見てみましょう。

例えば中国籍機のプライベート機がPEK-HND-PEKと運航を予定していると仮定します。スロットとスポットに問題がなければ、単に北京と羽田を往復するフライトとなります。ところが、羽田のスポットに空きがなく、1日しか駐機できないといった場合があります。本来であれば、プライベート機・チャーター機は、羽田に4泊5日駐機することができます。

しかし羽田は混雑空港なので、発着枠のスロットや駐機スポットは倍率が高く、希望通りに取得できるという保証はありません。こういったケースについては過去記事でも説明していますので、よろしければご一読ください。

プライベート・チャーター機は、スロット、スポットを運航の度に取得するという点が、定期便と大きく異なる部分だとこれまでの記事でお伝えしました。...

この場合、機体を一旦NRTにフェリー(機体を別空港に回送すること。)します。その場合、運航ルートは以下のようになります。

PEK-HND-NRT-HND-PEK

ここでHND-NRT-HNDと、国内区間が含まれることになりますね。ここで想定している機体は、中国籍のため国内区間での使用に際し、国土交通省本省への申請が必要となります。

この申請は、運航日時の3日前までにする必要があります。緊急の場合でも運航日時の24時間前までという規制があります。そして、海外へ出国するという前提が必要です。外国籍航空機が日本国外へ出国せず、日本国内を延々と運航し続けることはできません。

その他の国内移動の例とチャーター機の場合

上記のフェリーフライト以外にも、PEK-HND-KIX-PEKといった具体で、東京と関西の間を移動するために国内移動区間が生じるケースがあります。

チャーター機の場合も同じく127条による国内移動許可が必要なのは変わりませんが、更にチャーター運送(有償運送)許可のためには、航空法第130条に基づく申請も必要となります。第130条については、後日別記事でご説明します。

まとめ

航空法第127条は、定期便ハンドリングに携わる方には馴染みがない事項だと思います。私もプライベート・チャーター機ハンドリングに携わるまで、聞いたことがありませんでした。

私にとっても。国内区間に外国航空会社が就航していない理由について、深く納得できた契機となりました。