スロットの許容範囲

コンテンツ

スロットとは?

スロットとは、発着枠のことで、何時に出発・到着していいよという許可のことです。13:00の到着スロット、08:00の出発スロットと呼んだりします。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

今回は、航空知識編です。 用語の解説、そしてそれらの用語を、グランドスタッフがどう使うかという事例も併せてご紹介しています。 ラ...

スロットの許容範囲

スロットにはある程度の許容範囲(スロットトレランスとも呼びます)があり、多少遅れたり、早くなったりしても大丈夫です。この許容範囲は、以下のように、空港ごとに異なります。

羽田 RJTT(HND) ±30分

成田 RJAA(NRT)   ±55分

北京 ZBAA(PEK)   ±30分

コート・ダジュール LFMN(NCE) -5/+10分

ジュネーブ LSGG(GVA) ±0分

More and more airports are requiring slots due to congestion issues, and these slot requirements differ depending upon the airport in question. For example, som...

例えば、HNDで13:00の出発スロットを取得していると仮定しましょう。しかし、実際には±30分の許容範囲を利用し、12:30に出発してもいいし、13:30でも構いません。HNDやPEKのような混雑空港では、±30分となっており、許容範囲は狭めです。

もっとすごいのは、GVAの±0分。つまり、スロットの許容範囲はないということです。遅れたり、早くなったりした場合、即座にスロット変更が求められるということですので、大変です。

ハンドリングでの活用方法

プライベート・チャーター機のハンドリングでは、PAXのリクエストに応じて、ハンドラーがCAB(航空局)とスロットの調整を行います。

チャーター機の場合は、スロットを変更すると、チャーター申請書も変更しなければならず、やや煩雑な手続きがありますが、プライベート機の場合はスロット変更は容易です。

さて、このスロット許容範囲をどのように利用するのでしょうか。HNDを13:00に出発したいという機体オーナーのリクエストを例に、見てみましょう。

まずはリクエストを基に、CABにスロットの空き状況を確認します。しかし、14:00しか空いていないとの回答が。こうした場合、13:00のスロットを取得してしまい、許容範囲を利用し、実際は13:30に出発するという方法を採ります。

また、PAXが空港に到着するのが遅れているという場合も、この許容範囲でカバーできる場合があります(スロットを変更せずに済む)。

スロットの許容範囲があるからこそ、変更に関わる煩雑な手続きを避けられる面もあり、メリットは非常に大きいと考えます。

まとめ

プライベート・チャーター機ハンドリングにはメリットが大きい、スロットの許容範囲についての話題でした。混雑空港では希望のスロットを取れないことも多いため、少しでもリクエスト時間に近づけるために、重宝する手段です。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。