航空機のダイバート

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航空機のダイバートとは?

ダイバートとは、航空機が当初予定していた目的地ではない別の空港に、何らかの理由で目的地を変更することです。

ダイバートが発生する理由は?

・機体に異常が発生したため(エンジントラブル等)

・機内で急病人が発生したため(メディカルエマージェンシー)

・目的地空港で、強風や視界不良といった気象条件が悪く、着陸できないため

主にこういった事態が考えられます。

グランドスタッフとダイバート

グランドスタッフは、ダイバートに遭遇する可能性があります。例えば、成田には横風用の滑走路がないため、強風の場合には羽田にダイバートするといった可能性も十分にあります。

例えば2013年4月には、アリタリア航空(AZ)が強風のため成田に着陸できず、羽田にダイバートしています。

ダイバート後は気象が回復すれば、一旦羽田に降りた後、成田に戻るというパターンも多いようです。

グランドスタッフになれば、こういったダイバート機のPAXケアをする可能性も出てきます。

私がグランドスタッフ時代、成田に降りられなかった私の担当キャリア便が、昼間羽田に降りたことがある、ということを聞いたことがあります(私自身は夜間早朝フライトのみの担当だったので、昼間のフライトは見られませんでした)。



ダイバート機を受け入れた場合、グランドスタッフは到着ケアに入ることになりますが、本来成田に帰る予定だった人が羽田に降りた場合、イライラしているPAXも多いでしょうし、普段はそれほど案内しない地域へ帰るPAXの比率も増えることでしょう。よって、PAXへの案内には注意が必要となりますね。

ダイバートの具体例について参照できるサイト

具体的な個々のケースについては、例えば以下のサイト(JAL)が公開しているページがあります。

2017年2月、花巻(HNA)発新千歳(CTS)行き、JL2832便が悪天候(降雪)のため、なんと女満別空港(MMB)にダイバートと言う事例もあります。その後、女満別空港で運航は打ち切りとのことです。本来の目的地である、CTSからMMBまでは、約300kmも離れています。

PAXはとんでもない事態に遭遇したものですね…

因みに、JALサイトで昨年版のレポートを探しましたが、最新のものは上記リンクの2017年2月分でした。

プライベート・チャーター機ハンドリング会社とダイバート

プライベート・チャーター機ハンドリング会社での勤務時代、ダイバートに関する出来事としては、なぜかエアラインからダイバート時のハンドリング契約について、打診があったこともありました。

この契約というのは、私の勤務空港にそのエアラインがダイバートするという事態が発生した際、ハンドリングを行って欲しいというもの。

雨の中到着するPR(フィリピン航空)の機体。 ※本文とは関係ありません。

私にとっても馴染みのある会社でしたので、契約に繋がればと淡い期待を抱いてしまいました。しかし、私の会社は何しろ人員が少なく、対応できるか保証できないことは明らかでしたので、お断りしました。

しかしダイバートに備えて、エアラインは特にダイバートの可能性が高い空港のハンドリング会社と契約を結んでいるということが判った出来事でした。

まとめ

グランドスタッフとしても、PAXとしても、遭遇して欲しくない出来事であることは、間違いないダイバート。万が一当たってしまった場合は、貴重な経験だと思うしかないですね。

ダイバートその2も、よろしければお読みください。

航空機のダイバートについて、その2です。成田空港は横風用の滑走路がありませんが、ダイバートする可能性はどのぐらい?といった話題を中心にお送りします。

※アイキャッチ画像は、無料画像のPixabay (https://pixabay.com/ja/)よりお借りしました。