エアラインのステーショナリー通関作業と厳しい税関職員

グランドスタッフも行うことがある、通関作業。その際に関わるのが、CIQの中でもC(税関)です。この通関作業で、とてつもなく厳しい税関職員に遭遇した思い出です。7

※アイキャッチ画像(横浜税関)は、無料写真素材のACさんからお借りしました。

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エアラインで使用するステーショナリーとは?

エアラインのカウンターでは、バゲージタグ、フラジャイルタグ、ヘビータグ(一定の重量以上のバゲージにアタッチするタグ)、ハンドキャリーバゲージ用のタグといった様々な備品を使用します。

こうした備品類のことを、ステーショナリーと呼びます。外国のエアラインのものは、フライトに乗せられて、本国から送られてきます。

これらの備品類は、当然税関に検査してもらうことが必要です(通関作業)。通関書類はいつも決まったもので、決して難しいものではありません。

ステーショナリーの通関

ステーショナリーの通関は、エアラインが用意したフォーマットに、実際に送られてくる備品の品目を記載します。

バゲージタグ       20

フラジャイルタグ         1,000

といった具合です。私がメインで担当していたLCCでは、フラジャイルタグ、ヘビータグは、100枚で一束になっていました。

バゲージタグやこれらのタグは、カウンターでチェックイン作業を行う際、かなりの量を使用します。消費が激しいということは、補充も定期的に必ず行う必要があります。グランドスタッフは、エアラインの本国に定期的に備品のリクエストを行い、フライトに搭載して送ってもらう作業を行います。

私の担当LCCでは、リクエストしてから1週間ほどで送られきた記憶があり、備品を搭載した際はメールで本国のステーションから連絡がありました。それを受け、到着LL担当が通関書類を記入し、PAXのバゲージが返却されるターンテーブルで受け取り、税関の検査を受けます。

ある日の通関作業と担当税関職員

到着LL担当だった私は、そのときOJT中だった新入社員を連れて、BCでスタンバイしていました。丁度ステーショナリーが、本国から送られてくるという情報が入っていたため、その作業のOJTも含め、LLのOJTを実施しようということになっていました。

予め、送られてくるものの数量をメールで知らされていたため、その数量を通関書類に記入していました。ステーショナリーをターンテーブルからピックアップし、税関検査に向かいます。

その日は、バゲージタグ、フラジャイルタグ、ヘビータグが合計段ボール6箱程送られてきており、なかなかの重量でした。正直、新入社員が来てくれて、運ぶ作業が大分助かったという記憶があります。

税関のカウンターに向かい、検査をお願いします。普段であれば書類を見て、外見を大まかにチェックして通関は完了です。

しかしこの日は担当職員から、段ボールを開けてくださいとの指示が。そして、通関書類を見ながら、一つずつ備品の数をカウントし始めます。

フラジャイルタグやヘビータグは、前述のように100枚1束でまとまった状態になっています。なんと税関職員は、この束を一つ一つ数えていきます。その結果、100枚1束のはずが、90枚しかないもの、100枚しかないものがありました。

最終的に、「書類の記載と数が違いますよ。」と言われ、新入社員と全てカウントしなおし、申告もやり直しです。

合計で1000枚程ありましたので、終わった頃には激しい疲労感が。次からは正確に申告をお願いします!と指導を受け、通関完了となりました。

まとめ

こうしたステーショナリー類には、お酒やたばこと違い、免税範囲という概念はないはずなのです。しかし、輸入する物品の数量を正しく申告しないということは、場合によっては関税法によって処罰対象になることがあります。

バゲージタグ類は単なる紙類ではありますが、グランドスタッフとして通関作業を行われる機会がある皆さん、そして海外旅行から帰られて税関申告をされる方は、必ず正確に申告をお願いします。