臨機応変な対応が求められるプライベート・チャーター機ハンドリング

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プライベート・チャーター機のサービス

定期便と異なり、不定期であるプライベート機・チャーター機のサービス内容(地上支援業務)は、各便それぞれ異なります。そのため、臨機応変にPAX、CREWのリクエストに応えられることが、不可欠です。

以下の記事でも、ご紹介しています。

今回まで数回に分け、主にプライベート機のハンドリング手順についてお話してきました。 プライベート機(チャーター機も含む)には、チェック...

サービスの事例

FUEL(燃料補給)

例えば、FUEL(燃料補給)についてです。プライベート機の場合(チャーター機は少し制限がありますが)、目的地を柔軟に変更できるというメリットがあります。

柔軟にと言っても、スロット(出発枠)の空き状況にもよります。HNDの場合、北方面(北米)、南方面(香港、東南アジア)でスロットの割り当てがあり、同時刻の出発でも、北方面なら空いているが、南方面は空いていないというケースもあります。

今回は、航空知識編です。 用語の解説、そしてそれらの用語を、グランドスタッフがどう使うかという事例も併せてご紹介しています。 ラ...

スロットの空きがない場合でも、何回もCAB(航空局)に問い合わせ、粘り強く取得することも、ハンドラーには求められます。

さて、機体オーナーによっては、目的地を替えるプランも持っている可能性があります。例えば、HKG(香港)-HND(羽田)-SIN(シンガポール)を予定していたものの、HNDからの目的地をSYD(シドニー)に変更するという場合です。

こういった場合、目的地変更の可能性がありそうだという情報が入っていれば、通常到着時に行うことも多い燃料補給作業を、出発時に変更したりします。到着時に入れてしまうと、出発時に当初予定していた量よりも多ければ、燃料をドレイン(破棄)する必要が生じてしまうからです。

LAV(トイレの汚水処理)、WAT(飲料水補給)

LAVに関しては到着時に行わないと、キャビン内に匂いが拡散してしまうことがあり、特に夏場は到着時に作業を実施することが必須です。

こうした作業は通常、定期便のハンドリングをしているグラハン会社に作業依頼をするのですが、定期便のハンドリングとプライベート機の到着が輻輳(重なる)と、その会社が対応できないこともあります。しかも、マーシャリング・チョーキングは対応できるものの、LAV車(LAV作業に使う車両)が定期便で使用中のため、出動できないという場合があります。

こうした場合、更に別のグラハン会社に作業を依頼したりして、柔軟に対応します。

WATは出発時が多いですが、出発時対応不可となれば、到着時に予め作業を済ませることもあります。

こうしたグラハン作業(特にLAV、WAT)は、GSE(サービスに仕様する地上支援車両)をスタンバイさせていたが、実際には使用しなかったという場合、スタンバイチャージ(キャンセル料)を取られる場合があります。結果的にPAXに請求となりますので、臨機応変に対応しつつも、こういった点には注意します。

まとめ

便ごとに、定められている手順に従うことの多い定期便と異なり、プライベート・チャーター機のサービスは、常にイレギュラー対応と言えます。何かと大変な点も多いのですが、定期便時代とはまた異なった、グラハン業務についても、知識を蓄積できたのは、とてもプラスになりました。

※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。