定期便でもプライベート機でも、PAXのバゲージを適切に搭載することは、ハンドリングにおいて欠かせない要素です。定期便では、到着業務にLLというポジションがあり、万が一未着が発生した際、PAXのケアを行います。
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定期便のLL業務
管理人もLL業務を担当していましたが、まさしく敗戦処理のような後ろ向きな業務です。グランドスタッフと言えば、出発業務でチェックインカウンター、ゲートにいるイメージが強いと思いますが、到着業務も重要な業務の一つです。
前置きが長くなりましたが、今回はプライベート機のバゲージでミスハンドリングが発生した際のお話です。
ある日の出発便ハンドリングでのバゲージ搭載
プライベート・チャーター機ハンドラー時代のある日、私は18:00までのシフトに入っていました。しかし、20:00頃に出発便があり、PAXのバゲージが大量だったこともあり、搭載を手伝うこととなりました。
その日は偶々オフィスの会議室でPAXのバゲージの一部をお預かりしており、これを社用車のハイエースにバゲージを搭載し、機側へ向かいました。搭載は無事終了しました。出発も定時で、ほっとしました。この時は、今日も無事ハンドリング終了と思っていたのですが…
ハンドリング翌日
翌日出発すると、オフィスはちょっとした騒ぎとなっていました。会議室に、一つバゲージが残されていたのです。PAXに謝罪し、そのバゲージを送れば良いのではと、事態を楽観視していました。
しかし、その取り残されたバゲージというのがなんと、単体のリチウムイオン電池(電動自転車用)だったのです。リチウムイオン電池は、航空危険物で定期便でもチェックインバゲージに入れることはできません。
単体で航空機に搭載するには、かなり面倒な手続きが必要であり、色々調べましたが、送るという方法は諦めました。
そこで、上司から驚きの方法の提案がありました…
ハンドキャリー
その方法とは、なんとリチウムイオン電池をハンドキャリーして定期便のキャビンへ持ち込んで運ぶというものです。
私もハンドキャリー要員として、候補に挙がりました。海外出張のチャンス!と思いましたが、問題は言葉です。場所が中国だったので、挨拶ぐらいしか中国語のできない私には、荷が重かったのです。結局、言葉を理由に、中国人の先輩にハンドキャリーを担当してもらいました。
航空券も直前ということもあり(購入して翌日出発)、かなり割高だったそうです。しかし、PAXも良い方で全く怒っておらず、むしろ日本からバッテリー一つのために来てくれたことに、感謝されたとのこと。
まとめ
PAXの大切なバゲージの搭載を忘れてしまうと、このようなとんでもない事態になることもあります。しっかりと搭載を行い、搭載漏れが発生しないよう、確認作業を徹底しましょう。
※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像Pixabay(https://pixabay.com/ja/)からお借りしました。