BJターミナルを使用したハンドリング(出発編)

前回の到着編の続きで、今回は出発作業の手順について見てみましょう。到着編は以下のリンクをご参照ください。

以前当ブログの過去記事で、一般ターミナルを使用したプライベート・チャーター機のハンドリング手順についてお話しました。 ...

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出発編

CREWケアとシップ担当の作業

出発は、ターミナルでCREWとミートするところから開始です。CREWの乗車車両は、ハンドラーが手配することが一般的ですので、当日担当のドライバーの電話番号をタクシー会社に聞いておきます。CREWの出発時に電話と到着予定時刻、空港近く(到着約5分前を目安に)で再度連絡するように依頼します。

ハンドラーはCREWの空港到着時刻より少し前に、ターミナルに到着し(CREW到着は出発の1時間半~2時間前)、GDやPMを配布します。終了したら、車両用の車寄せで待機し、CREW車両の到着を待ちます。

CREWは一般ターミナルしか使用できず、定期便と同じCREW用保安検査レーンを通過し、出国審査もCREW用レーンです。ターミナルからシップへと向かい、WAT作業やケータリングの搭載を行ったら、到着時同様、123番スポットにリポジ作業を行います。

ハンドラーはN地区駐機スポットのブロックアウトに立ち合い、ブロックアウトタイムを航空局に通報します。123番には別の担当ハンドラーが既に待機している場合があるので、123番担当にも通報を行い、受け入れ準備をしてもらいます。これらの一連の動きは、無線で担当ハンドラーに共有されています。123番にリポジが完了したら、その旨を関係個所に通報します。

PAX担当の作業

BJターミナル担当でPAXケアを担当するハンドラーは、PAXがホテル等を出発する時刻を予め確認し、担当ドライバのと打ち合わせをしておきます。この流れは、CREWとミートする際の流れと全く一緒です。その時間に合わせ、CI(出発時はQさんは対応なし)各所にスタンバイ希望時刻を伝達し、検査に備えます。

PAXがBJターミナルに到着するとすぐに荷物を降ろし、シップへの搬入に備えます。PAXが出国審査や税関検査を受けたら、とにかくバゲージを先出しします。PAXよりも後にバゲージがシップに到着すると、お待たせすることになってしまうためです。

ハンドラーがPAXをアテンドし、123番駐機中のスポットに到着すると、CREWが出迎えてPAXが搭乗します。この直前に、すでに委託先のグラハン会社スタッフによって、バゲージ搭載作業は終わろうとしています。

ドアクローズ後、ブロックアウトに立ち合って、航空局、CIとBJの関係個所に出発時刻を通報します。運航会社やハンドラーに、MVTを送付してETAを知らせます。

この後はハンドラーはオフィスに戻るのですが、Flightradar24や航空無線のレシーバーを使用し、テイクオフするまで見守ります。無事にテイクオフしたら、出発ハンドリングは完了です。

まとめ

プライベート・チャーター機のハンドリングは、とにかく関係各所との電話連絡やFAX連絡が多いです。個々の作業を手配し、滞りなく行われるようアレンジするのが、ハンドラーの責務です。運航会社、CREWやPAX、CIQやBJターミナルの間に入り、情報の交通整理を行う司令塔となります。

現場では刻々と状況が動き、当初の予定とは変更になることも多々あります。何かが変更になったら、それに伴った連絡・調整作業も多く発生します。臨機応変な対応ができ、柔軟に動くことを楽しめる方に向いている業務と言えます。

定期便のハンドリングと比較すると、業務の全てがイレギュラーとも言えるでしょう。総合的には、定期便と比較して難易度が高いですが、楽しさを感じられる瞬間も多々あります。