グランドスタッフやグラハンスタッフがよく使用する機会のある用語の1つに、INOPがあります。カウンターでも時々耳に(エアラインによってはしばしば?)用語です。
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INOPの意味とバリエーションの例
INOPとはInoperableの略語で、故障を意味します。
グランドスタッフが使用する多い場面は、カウンターですね。例えば、使用機材のあるシートがリクライニングできない、といった場合。これを、SEAT INOPと呼びます。
座席の背もたれに取り付けられている、エンターテイメントシステムが故障していることを、VIDEO INOPと呼びます。
その他にも、ラバトリーが故障することもあります(LAV INOP)。
グランドスタッフがカウンターで遭遇するINOPの例
私が担当していた東アジアのLCCでは、到着前にチェックインシステムを使用し、SEAT INOPをチェックしていました。システム上で警告が表示されるため、すぐに分かりました。
その座席を予約しているPAXがいれば、座席変更が必要になります。しかし、満席の場合はそれが出来ないこともあり、その場合はそのまま座って頂かざるを得ないこともあります。
私が経験したものだと、連休シーズンにリクライニングができないSEAT INOPが発生し、やむなくそこに座って頂くことになったことがありました。
LAV INOPも経験があります。当時担当していた機材がA320であったため、フォワードとアフターの各1か所にしかありません。幸いそのときは、PAXは多くはなかったものの、30列近くある機体なので、一番遠い側のPAXは辿りつくのが大変ですね。
プライベート・チャーター機ハンドラーとして経験したINOP
今でも強烈に覚えているのが、嵐の夜にやって来た、APU INOP(補助動力装置)故障の航空機です。
よろしければ、上記の記事をお読みください。航空機はAPUの圧縮空気を送る機能が故障すると、エンジンスタートができなくなります。よって、ASU(Aircraft Starter Unit)を手配し、エンジンが始動できるようにする必要があります。
画像は上記リンク先より、お借りしました。
私自身がPAXとして経験したINOP
私自身も、PAXとして航空機に搭乗する際、VIDEO INOPを経験したことがあります。東南アジアの某フルサービスキャリアで、機体はA330。機齢は6年ほどで、まだそこそこ新しかったのですが…
搭乗して着席し、エンターテインメントシステムのボタンの電源を入れましたが、プログラミンに使用されるような文字列次々に表示されているだけで、画面が出ません。羽田から4時間弱のフライトだったので、なくてもいいかとは思いましたが、結局空いていた隣のシートのシステムを利用し、事なきを得ました。
まとめ
航空機に付き物のINOP。最前線でPAXと対応するグランドスタッフとしては、PAXへの案内が心苦しいときもあります。PAXとしても遭遇することは、そう珍しくないとないと思います。
ちょっとした不具合に遭遇しても、寛容になりたいものですね。