今回はグランドスタッフが遭遇するイレギュラーの一つ、シップチェンジ(機材変更)についてのお話です。
コンテンツ
シップチェンジ(機材変更)とは?
文字通り、シップ(機材)を当初予定していたものから変更することです。機材を変更する必要がある、ということは勿論、機材に問題が発生しているということです。
機材に問題が発生すれば、まずはメンテナンスでその機材を直す努力をするのですが、それでは対応できないこともあります(結果的に直せない)。
機材メンテナンスについて
私も何度もメンテナンスに遭遇していますが、メンテナンスを実施すれば、当然DLY(遅れ)につながります。早く直ってくれ!と祈る、緊張の時間が続きます。
シップチェンジの実例
私自身は、シップチェンジには当たったことはないのですが、ハンドリング中に大変そうなシップチェンジ(他社)を見かけたことがあります。
私が羽田で、プライベート・チャーター機のハンドリングをしていた時でした。なんと、成田だけに就航している中国の某フルキャリアの機体(M社とします)が、降りてきたのです。
なんとレアな!と思いつつ、ランプ内を運転していると、M社のB787が駐機しているのが見えました。先ほど降りてきたのは、代替機だったというわけです。
整理すると、以下のことが起こっていたのです。
・中国広州発サンフランシスコ行きのM社便が、機材故障のため、羽田に※ダイバート
・代替機を中国から羽田に飛ばす
・PAXは代替機に乗り換えて、再度出発
・故障機は羽田でメンテナンスし、中国へフェリー(回送)
※ダイバートとは、目的地変更のこと。
シップチェンジは何が大変?
代替機手配まで、時間を要することが多い
何よりも、代替機の手配がつくまで、時間を要することが挙げられます。特に国際線では、前述の例のように、海外からシップ(機材)を送り込むことが必要になります。
PAX・CREW・ハンドリングに関わる人たちにとって、長時間の待機は非常に辛いものです。
PAXのビザ問題
もう一つはPAXのビザの問題です。某M社の例だと、PAXは大部分が中国籍でしょうから、羽田にダイバートした場合でも、日本に入国することが基本的にできません。
こうしたケースでは、代替機の手配が当日中に難しいという場合、トランジットホテルの手配or他社便に振り替えというオプションが考えられます。
まとめ
フライトに関わる全て人に対し、大きな負担となるシップチェンジ。遭遇しないように祈るばかりです。特にPAX対応の矢面に立たされるグランドスタッフの負担は、重いものとなりますね。
※アイキャッチ画像ならびに本文画像は、無料画像のPixabay (https://pixabay.com/ja/)よりお借りしました。