以前、グランドスタッフとしての就職・転職3という記事で、就職・転職先として、グランドハンドリング会社(以下、ハンドリング会社とします)という選択肢があることをお話ししました。
私も以前グランドハンドリング会社に在籍し、グランドスタッフとして旅客業務を担当していました。
ハンドリング会社で働くデメリット その1
ハンドリング会社は、航空会社からグランドスタッフ業務や、グラハン業務(航空機のトーイング、プッシュバック、手荷物搬送や搭載)を請け負っている、受託会社です(航空会社の下請け会社)。
上記の記事では、ハンドリング会社で働くメリットについてお話しました。
今回は、デメリットについて、より深い側面から見ていこうと思います。以前挙げたポイントは、以下のようなものがあります。
- 割引航空券は、全空港従業員を対象としたものしか使えない。
- 給与水準も航空会社に比べれば見劣りする。
更にハンドリング会社では、一人がいくつものエアラインを担当します。
入社して数か月は、1社のみを担当するケースが多いかと思います。しかし、その後多い人で3社ぐらいを担当する可能性があります。(もちろん、これはそのハンドリング会社が受託している航空会社の数によります。)
各航空会社は、SOP(Standard Operation Procedure)という標準作業手順を定めています。こういう場合はどうする、というルールですね。エアラインにもよりますが、かなりの情報量になります。非常口座席にアサインできるPAXの年齢、乗り継ぎサービスの取り扱いといった多種多様なものがあります。
私も3社を担当していましたので、たまに混乱することがありました。
ハンドリング会社のグランドスタッフは、複数のエアラインの膨大な情報を正確に覚え、ハンドリングすることが求められます。
ハンドリング会社で働くデメリット その2
前述のようにハンドリング会社は、複数のエアラインと契約しています。契約は2年単位であることが多いようですが、その度に航空会社は契約の見直しを行います。
この契約更新のタイミングで、ハンドリングを他社に移管するということも多く行われています。私の在籍していたハンドリング会社は、中規模の会社でしたが、より規模の大きな会社に仕事を奪われてしまいました。
これまでハンドリングしていたエアライン2社の仕事が、まるごと無くなることとなったのです。。。
そのタイミングで私の同僚のうち、決して少なくない数が、他の空港に移動となりました。ハンドリングが無くなれば、そういう可能性もあると頭ではわかっていましたが、実際目の当たりにすると、やはりショックは大きかったです。
以前私が勤務していたハンドリング会社は、航空会社からの受託を切られたタイミングで、契約社員を大量に雇止めをしたこともあるという話を聞きました。受託業務ですので、受託業務が無くなれば、社員を雇用し続けることはできないので、やむをえないとは言え非情な側面もあります。
まとめ
2020年3月現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が世界中で拡大し、航空業界にも大打撃を与えています(路線運休、新規採用凍結、倒産等)。路線消滅も、ハンドリング会社から仕事を奪う要員の一つです。
ハンドリング会社の間でも、他社の業務を取ったり、またはその逆で取られたりということが頻繁にあり、非常に競争が激しい世界です。
ハンドリング会社に就職・転職する場合、こういったデメリットもあることを念頭に、選択肢として検討するのがいいかもしれません。