プライベート・チャーター機ハンドリング会社を始めるには?

今回は、ちょっと変わった話題です。

私がハンドリング会社社員だった頃にも考えた、どうすればプライベート・チャーター機のハンドリング会社が運営できるかというお話しです。

そもそも、プライベート・チャーター機ハンドリング会社の役割とは?

プライベート機の場合は、オーナーが運航を委託している会社があり、そこからハンドリング会社に、運航リクエストが入ります。チャーター機であれば、機材を保有して運航している歌会社からです。運航リクエストの受理先が、日本側の代理店である、ハンドリング会社という訳です。

リクエストを受理した後、運航に関わる調整を行います。要はコーディネーターで、情報を交通整理したり書類を作成して、関係機関と調整するのが、ハンドリング会社の役割です。

本当に代理店という言葉がふさわしく、現場作業よりもオフィスでの事務作業が多いです。

プライベート・チャーター機ハンドリング会社の業務内容

1.ハンドリングリクエスト受理

2.スロットならびにスポットの取得

3.CIQへの運航計画書送付、運航時は※ETA、ATA、ATDの連絡

以下の記事をご参照ください。

今回は用語解説編です。 グランドスタッフが最初の段階で習う用語でもあり、もう少し早い段階でこれらの用語を解説すべきでした。 ※出...

4.グランドハンドリングサービスの手配

トーイング、プッシュバック、GPU、LAV、WAT、FUEL、ケータリングといったグラハン

サービスを、グラハン会社にオーダーします。

5.CREW、PAXのアテンド

乗員、乗客の入国アテンドを行い、タクシーやハイヤー等の車両までご案内します。

6.CREW、PAXの車両やホテルの手配

7.航空機着陸料や駐機料の航空局への代理納付

8.上空通過料の航空局への代理納付

9.チャーター機の場合、国土交通省へのチャーター申請

10.TAF、METAR、NOTAM等、運航に必要な天候情報のCREWへの提供

以上のような内容です。プライベート・チャーター機の運航に関することなら、何でもやらなくてはならず、さながらホテルのコンシェルジュの航空版と言える存在です。

事務的な作業や調整作業が非常に多く、ハンドラーという用語よりも、コーディネーターというほうがしっくり来ます

幅広い知識をもって、正確・迅速でより良いサービスを提供できることが、ハンドラーの価値と言えるでしょう。

プライベート・チャーター機ハンドリング会社を始めるには?

構内営業権の取得

まずは、空港での構内営業権の取得が必要です。これを取得するには、空港事務所へ申請書の提出が必要です。申請するには、会社の登記事項証明書や貸借対照表といった書類が必要とのことです。

https://www.cab.mlit.go.jp/tcab/img/information/20100415/haneda/kitei.pdf

東京国際空港供用規程

上記PDFファイルの、構内営業という項目に詳細が記載されています。

CREWの運搬車両を兼ねたスタッフ用車両と運転許可

広大なランプ内を移動するには、車両が必須です。プライベート・チャーター機ハンドリング会社は、CREWや場合によりPAXのBAGGAGEを搬送する必要があります。それに加え、航空機用の車輪止め(チョーク)を運搬することもしばしばあります。

そこで、ハイエースやキャラバンなど、大きめの車両を用意する必要があります。これらの車両は、普通自動車免許で運転できます。しかし、空港内で運転するには、各空港の運転許可が別途必要です。航空局の試験を受けて合格し、車両を登録する必要があります。

今回は、空港内(ランプ)で運転するためにどのような許可が必要かという話題です。旅客グランドスタッフは、基本的に所持している人は非常に少ないで...

空港内での運転許可については、以前上記記事でご紹介しています。

ハンドリング料金を建て替えられる潤沢な資金

上記10項目の業務を行うに際し、到着から出発のセットで20万円とします。その上で、LAV、WATといったグラハンサービスは更に別会社に委託します。

LAVやWATの各サービスはそれぞれ3万円ほどだったと記憶しています。出発時のプッシュバック作業(スポットによっては、自走インアウトといって、プッシュバック作業が不要な場合があります。)、BAGGAGEの搬送も当然料金がかかります。

リスクマネージメントとして、複数のグラハン会社と契約しておきます。グラハン会社は定期便のハンドリングも行っており、定期便ハンドリングと輻輳(かぶる)する時間帯は、業務を受けてくれないからです。

これらのグラハンサービス実施の際、グラハン会社に対して先に建て替え払いをする必要があります。建て替え料として、10%程の手数料を運航会社に請求します。

一本運航すると、数十万円単位の立て替え払い(場合によっては100万越え)が必要となるため、運航会社からの支払いがあるまで持ちこたえられる、潤沢な資金力が必要となります。

まとめ

定期便のハンドリング会社であれば、トーイングカー、ドーリー(コンテナをけん引するための車両)、LAV車、WAT車といったGSE機材を保有していないと、航空会社からの仕事を受託することはできません。

※GSEとは、Ground Support Equipmentの略です。航空機支援車両という意味で、上記のような機材を指します。

しかし、プライベート・チャーター機ハンドリング会社には、そういった機材は不要です。中にはトーイングカーを所有している会社もありますが、GSE機材を所有していない会社が大半です

資金力が必要とされる業態ではありますが、定期便の会社と違ってシンプルに始めることができます。あとは、運航会社をいかに集客し、業務を依頼してもらえるかという営業力にかかっていると言えるでしょう。